オプティムは3月30日、直感的にIoT端末の制御、データ解析、AI(人工知能)、クラウドサービスと連携ができる「OPTiM Cloud IoT OS」を発表した。2016年夏頃の提供を予定している。

同社では、スマートフォン・スマートデバイス管理技術分野のノウハウ・技術を応用し、2014年よりドローン・ネットワークカメラ・ウェアラブルデバイスなどを含むIoT端末の研究開発を進めている。OPTiM Cloud IoT OSは直感的かつ安全なIoT端末の管理・制御、データの蓄積・分析、クラウドサービスとの連携を可能とし、あらゆるユーザーがIoTを享受できる「新しいユーザー体験」を提供するという。

「OPTiM IoT Explorer」機能によりデバイスに一覧表示

サービスの特徴として、UI(ユーザーインタフェース)はデスクトップOS形式を採用し、直感的な操作が可能。IoT端末から取得した情報を蓄積し、標準搭載している接続中のIoT端末やデータをデバイスに一覧表示する「OPTiM IoT Explorer」の画面から閲覧できるほか、緊急を要する場合においても、スマートフォンに通知する設定を行える。

「OPTiM Insight」機能で数値・映像データを分析

また、OPTiM IoT Explorerで収集している機器の情報やカメラ映像分析など、さまざまな数値・映像データに対して分析を行う「OPTiM Insight」を標準アプリケーションとして提供することに加え、数値・映像データをビジュアル化して表現することで、状況の把握が可能。ウィジェットエンジンの標準搭載により、デスクトップ上で必要かつ最新の情報を常に確認できるという。

搭載されているAIやビッグデータ分析エンジンで画像データやIoT端末から取得したデータを分析

さらに、画像データや各IoT端末から取得したデータに対し、OPTiM Cloud IoT OSに搭載されているAIやビッグデータ分析エンジンを駆使することで、人の手を介して行うには困難である膨大なデータを多様な角度から分析。

これにより、農業分野ではドローンを用いての品種ごとに異なる害虫を検知したり、医療分野ではヘルスケアデバイスが取得したバイタルデータから病気リスクの予測や予防への活用、建築分野ではセンサーが取得したデータからビルの老朽化を予測したりするなど、さまざまな産業において応用でき、新たなアプローチを可能としている。

加えて、企業が保有する情報の全てはテナントと呼ばれる空間ごとに区切られて保存。テナント内は、マルチアカウントに対応しており、組織階層、グループごとの細やかな権限管理が容易に実施できるという。そのほか、統合開発環境の「OPTiM Code」利用し、OPTiM Cloud IoT OS上で動作するアプリケーションを容易に作成することを可能とし、IoT端末やサービスを専門に販売するマーケットプレイスである「OPTiM Store」も利用が可能だ。

公開予定のAPIはマルチテナントな階層管理、アプリ管理などのコアロジックを担うCore API、リアルタイムなストリームデータ、および永続化されたストリームデータのI/Oを担うMessaging / Datastore API、クラウド上でユーザープロセスを実行可能とするPaaSを担うRuntime API / OPTiM Codeとなる。

また、仮想化されたコンピューター基盤上でインターネットを介し、アプリケーションサーバ・データベースを提供。これにより、クラウド上に構築されるシステムは用途に応じて自動的に拡張され、物理的な制約から開放されるとしている。