富士通エフサスと日本医科大学武蔵小杉病院(日医大武蔵小杉病院)は3月30日、退院患者の自宅療養を支援すべく、医師の指示により富士通エフサスのコールセンターで定期的に状態確認コールを行う実証研究を開始すると発表した。

実証研究のイメージ

同研究は1)患者・家族が安心して自宅療養へ移行できるようにする、2)退院後の状況を定期的に確認することで患者の異常を早期に発見し速やかに医療機関受診を促す、3)患者の退院後の生活状態に関する情報を再来院・再入院時に活用することを目的としている。

具体的には、入退院を繰り返す患者・独居高齢者・高齢者世帯のうち退院後のフォローを希望する患者を対象に、定期的にコールセンターから日常生活・症状の確認を行い、異常時には再来院を促すとともに患者とのやりとりの結果をシステム上で病院と共有する。

同スキームの有効性が実証されるとスムーズな自宅療養移行による入院期間の短縮、重症化してからの緊急・再入院の抑止が可能になり、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最期まで続けることを目指す「地域包括ケアシステム」の実現にも寄与することになるという。

日医大武蔵小杉病院は川崎市の中核的病院として高度医療を提供すると同時に、患者が必要な医療をいつでも受けられ、退院後の患者が安心して療養できる環境を富士通エフサスと連携して構築、試行していく。

一方、富士通エフサスは研究の成果を踏まえ、地域包括ケアシステムの推進に貢献するとともに、看護師資格を有するオペレーターによるコールセンターなど、自社の強みを活かした新たな高齢者医療のあり方を提案し、患者、家族の生活を豊かなものにしたいと考えているという。

対象は日医大武蔵小杉病院の患者で、退院調整・退院支援を行っている独居高齢者・老老介護の患者、入退院を繰り返している患者、地域連携支援・継続支援が必要と判断される患者・家族となり、研究への参加を希望する患者。実施期間は2016年4月1日~同年9月30日を予定している。