ニューヨーク州ユーティカで日米共同の省エネビル実証試験が始まった。標準的ビルに比べ消費電力の半減を目指す。

実証試験は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、清水建設、Shimizu North America LLCとニューヨーク州立工科大学が共同で実施する。実証試験が始まったZEN(ゼロ・エネルギー・ナノテクノロジー)ビルは、ニューヨーク州立工科大学が同大学の敷地内に昨年、建設した。NEDOとニューヨーク州立工科大学は、ZENビルで省エネ実証事業を進める基本協定を2013年に締結している。NEDOと委託企業の清水建設、Shimizu North America LLCが省エネを可能にする技術をZENビルに導入し、22日から実証試験が始まった。

導入された技術の中には、燃料電池や太陽光発電システムに加えて、電力を使用する機器類と発電設備を機器の特性や状況に応じて制御するビル・エネルギー管理システムや、人の在不在や人数などを取得し、設備制御や施設の使われ方の分析に活用できる人の位置情報取得・応用システム、さらに太陽高度や日射の変化に対応してブラインドの羽の角度を調節、自然光を効果的に取り入れて照明負荷を下げるシステムなどが含まれている。

米エネルギー省は、2030年までに全ての新築業務ビル、50年までに全ての業務ビルの正味エネルギー使用量をゼロにする計画を発表している。09年11月に合意された日米クリーンエネルギー行動計画には、省エネビルの共同実証事業を検討することが盛り込まれている。NEDOは共同実証試験をてこに、日本の省エネ・創エネ技術を米国で普及させ、さらには欧州やアジアへの展開も目指すとしている。

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