新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と清水建設、Shimizu North Americaは3月23日、米国ニューヨーク州立工科大学(SUNY Poly)内のZEN(Zero Energy Nanotechnology)ビルへの省エネルギー実証技術の導入を完了し、3月22日にゼロエネルギービル(ZEB)実現に向けた実証試験を開始したことを発表した。

同実証試験では、設備や環境を統合的に監視・制御する清水建設のシステム「シミズ・スマートBEMS」、RFIDを用いた位置情報システム、自然光を屋内に採り入れ照明に用いるシステム「グラデーションブラインド」、燃料電池システム、太陽光発電システムなどの日本技術をSUNY Polyの建設したZENビルに組み込み、自然と人間の行動に合わせた照明制御など日本が優位性を持つ制御技術を活用したZEBの実証をSUNY Polyと共同で行う。

NEDOらはこれらの取り組みにより、標準的なビルの理論上の消費電力に対し、約54%に相当する省エネ・創エネ効果を目指すという。また今後、米国における日本の省エネ・創エネ技術の普及を図るとともに、欧州やアジアなどへの世界展開も進めていく考えだ。

実証運転を開始したZENビル