Appleは3月21日に、カリフォルニア州クパティーノにある本社内のタウンホールで開催したメディアイベントで、iPhone SEとともにiPad Pro 9.7インチモデルを披露した。3月24日に予約が開始され、3月31日に発売される。

日本での価格は、Wi-Fiモデルが32GB/66,800円、128GB/84,800円、256GB/102,800円。Wi-Fi+Cellularモデルが32GB/82,800円、128GB/100,800円、256GB/118,800円(以上、税別)となっている。

iPad Pro 9.7インチモデル

iPad Proは、2015年11月に12.9インチモデルが発売されており、今回はその小型版、9.7インチモデルとなった。基本的な性能は12.9インチモデルに準ずる。

これに加えて、iPad Pro 9.7インチモデルには、3つの「iPad初」となる特徴がある。公式に「パソコンからの乗り換え」を喚起する、「最新のiPad」の姿を、みていこう。

iPad Proは大画面化された点に注目が集まったが、要素技術を紐解くと、処理能力、スピーカー、ディスプレイ、アクセサリ対応の4点が挙げられる。これら4点は、小型の9.7インチiPad Proにも採用されている。

本体四隅にスピーカーを配置

まず処理能力は、iPhone 6sに装備されたものをさらに強化したA9Xプロセッサを搭載している。iPad Air 2と比較し、処理能力は1.8倍、グラフィックス性能は2倍を実現した。例えばiMovieでは4Kビデオクリップを3本同時に並べて編集することもできるほどだ。

AppleはiPad Proについて、スーパーコンピュータ並みの処理性能と表現している。

次にディスプレイ。そもそものサイズが異なるため、12.9インチモデルの2,732×2,048ピクセルに対し、9.7インチモデルは2,048×1,536ピクセルと、利用できる領域は小さい。しかしピクセル密度は12.9インチモデルと9.7インチモデルで揃えてあり(264ppi)、コンテンツを閲覧、編集する際、あるいは異なるiPad Proを併用する際にも違和感はないだろう。

iPad Proのディスプレイは、一般的なタブレットのディスプレイに比べてより明るく、40%反射をカットし、25%高い彩度を実現している。3月21日のプレゼンテーションでは、これを「Pro Display」と呼んでいた。

続いてスピーカー。それぞれの四隅にスピーカーを配置し、本体の向きに応じて上辺から高周波数の音が再生されるよう自動的に切り替わる、「4スピーカーオーディオ」を採用している。こちらは9.7インチにも同様の仕組みが備わった。

最後にアクセサリ対応。9.7インチモデルにも、3点端子のSmart Connectorが採用され、ケース一体型で小型化されたSmart Keyboardが発売される。そのため、普段はカバーとして持ち歩き、必要なときにキーボードを組み立てれば、すぐにフルキーボードでのタイピングが可能だ。

加えて、Apple Pencilもサポートされ、非常に軽く、繊細なタッチを感知する手描きの環境を実現した。

ここまではiPad Proとして共通の仕様だが、ここからは、9.7インチに搭載された3つの初めての機能について触れていく。