筆者は2014年から、「iPhoneの大画面化は伝家の宝刀だった」という表現を使って来た。iPhoneの年間販売台数を見ると、大画面化前の2014年に1億6,922万台から、2015年は2億3,122万台へと大幅にその台数を伸ばした。

中国進出などの要因もあったが、飽和が伝えられつつあったスマートフォン市場で、販売台数を積み上げることができた点で、「伝家の宝刀をついに抜いた」と考えてるのが適当だろう。

その後の筆者のデバイス利用を振り返ると、5.5インチのiPhone 6 Plus、iPhone 6s Plusを使うようになってから、読書も含むすべての作業をiPhoneでこなすようになり、iPad mini 2は使わなくなってしまった。

大画面iPhoneは「諸刃の剣」だったか

この伝家の宝刀は、他のものを犠牲にしているかもしれない。「諸刃の剣」と言うべきだった、と認識も変化した。

その後も、iPad miniシリーズ、iPad Airシリーズはリリースされている。特に、iPad Air 2は、きわめて薄く、また非常に高性能で、非常に魅力的だ。2014年10月に登場した当時は、「究極のiPad」と呼んでもよいほどの出来だった。

しかしながら、筆者はiPhone 6 Plus 1台でほとんどすべてのことを済ませるようになってしまったことから、タブレットを1台増やすよりは、大画面スマートフォンを最新のものに買い換えた方が、快適な仕事や生活を送れるだろうと考えるようになった。

良い製品であると分かっているが、買わない。いつしか筆者にとって、iPadがそんな対象になってしまっていたことに気づいた時、その販売台数の実績は、長い下降トレンドの中にあった。