富士フイルムグループの富士ゼロックスは3月7日、NPO法人の北三陸塾と共同で医療、介護、福祉領域におけるさまざまな情報を連携、およびバックアップを行い、サービスの向上を目指す情報基盤「北三陸ネット」を構築し、稼働したと発表した。

システムの概念図

近年、高齢化が進む日本では在宅療養のサービスや利便性向上が重視されており、地域における医療や看護、調剤、介護、福祉など異なる職種間の連携が必要とされているという。また、災害時にもスムーズな医療、介護、福祉サービスを提供するには、情報のバックアップが重要だという。

北三陸ネットは、こうした課題を解決することを目的に久慈医療圏4市町村(岩手県久慈市、洋野町、野田村、普代村)の病院、診療所(医科・歯科)、調剤薬局、介護施設、福祉施設(地域包括支援センターなど)など計67施設をつなぐシステムだ。

北三陸ネットに参加する各施設内で作成される情報を電子化し、施設間をつなぐ安全なネットワークからプライベートクラウドに格納する事で、情報のバックアップが行われると同時に、各施設が相互に情報を閲覧できるようになる。

各施設が共有する情報には、同意書で賛同した住民の診療記録や保険薬局の調剤履歴、紹介状、介護・福祉現場のケア記録、在宅診療や訪問診療、訪問介護時のメモや連絡事項などが含まれる。

情報連携がスムーズに行えるようになることで、各施設におけるサービスの質の向上を目指す。加えて、これまで紙媒体で記録や保管することが多かった情報を電子化しバックアップすることで、災害にも強い地域づくりに貢献していくという。