「ナヴァグラハーDefenD 9 Triggersー」トークショーの様子。

声優の小野大輔と近藤孝行が原作を務める「ナヴァグラハーDefenD 9 Triggersー」1巻発売を記念したサイン会とトークショーが、本日3月5日に東京・アニメイト池袋本店にて行われた。コミックナタリーではトークショーの模様をお届けする。

会場にはパイプをくわえてベレー帽をかぶった小野とサングラスをかけた近藤が、「小野・D・大輔です」「近藤・T・孝行です」とそれぞれ挨拶しながら登場。2人のファッションはマンガ家をイメージしているという。近藤は「石ノ森章太郎先生の感じを出した」とサングラスをかけている理由を明かし、小野は「衣装は全部自前なんですが、なんと白タートルがかぶるっていう」と2人の共通点に笑った。また小野のために編集者が用意したベレー帽とパイプが話題にのぼり、「これってもう藤子・F・不二雄先生だよね」と意見が一致。自分たちを「D先生」「T先生」と呼び、会場を盛り上げた。

2015年8月に月刊少年シリウス(講談社)にて連載スタートした「ナヴァグラハーDefenD 9 Triggersー」は、仏の力を招来し、悪と戦う9人の武僧・九曜のメンバーだったアキラとサクヤによるヒーローアクション。ドラマCDの制作も進行している。半年間、原作を務めてきた感想を問われた近藤は「準備期間が長かったから、連載が決定してからのスピード感がすごい」、小野は「この企画の会議と称して2人で料理を食べに行っていたのが5年くらい前。ずっと温めていた企画なんです」と明かす。

今作を連載していくにあたり、綿密に打ち合わせを重ねているという小野、近藤、脚本の小林裕和、作画の塩沢天人志の「ナヴァグラハ」制作メンバー。ただ小野は「不満があって……。この連載、アオリがどうかしてるんですよ! 原作者に全く相談がない! 『荒くれBOUZ(武僧)、伽藍に帰還!!』とか『仏智義理(ぶっちぎり)』とか……」と、センスあふれるキャッチコピーで誌面を飾る編集者への不満を述べ、観客の笑いを誘った。

続いて九曜のメンバーの名前は、脚本の小林がサンスクリット語をもじって付けていると制作の舞台裏を紹介。不動明王の力を招来する向日明(むかいあきら)は、不動明王のサンスクリット名「アチャラナータ」から取っているという。「『アチャラ』がアキラ、『ナータ』から『ひなた(日向)』を連想して、漢字を1字もらって向(むかい)なんだって。紫垣屋朔夜(しがきやさくや)は釈迦如来だから、ゴータマ・シッダールタ。『シッダールタ』が『しがきや』……」「ちょっと無理あるよね(笑)」「朔夜という名前は日明と対になるようにだって」と、九曜メンバー9人の名前の由来について軽妙なトークを繰り広げる。

そして朗読コーナーに突入。アキラ役の近藤、サクヤ役の小野が作中の印象的な3つのシーンを演じた。アフレコ後、小野は「絵がきれいで迫力があるので、もしアニメになったらどういう風に表現するんだろうね」とアニメ化を視野に入れていることを告白。「主題歌は(小野と近藤のユニット)D.A.Tかな」と話すと、観客から拍手が巻き起こった。そして「ナヴァグラハーDefenD 9 Triggersー」2巻が8月発売だと発表されると、さらに大きな拍手が。2人は「すごくうれしい」と声を揃えた。

イベントの終盤には、プレス関係者による質疑応答コーナーも。1巻でお気に入りのシーンについて尋ねられた小野は「最初に化身(アヴァターラ)化するシーンですね。背景に曼荼羅が描いてあって、東寺の立体曼荼羅を見たときのように身が引き締まりました」、近藤は「扉絵に感動しました。あとリタちゃんがナメコ汁を作ってくれるところとか、日常的なシーンも好きです」と答えた。またオススメの仏像についての質問に、小野は「目黒にある五百羅漢寺ですね」とキッパリ。月刊少年シリウス2015年10月号には、五百羅漢寺協力のもと羅漢像に囲まれた小野と近藤の対談も掲載されている。小野は「『ナヴァグラハ』をきっかけに五百羅漢寺さんと仲良くさせていただいている。声優でお寺とコラボするのはなかなかないこと。夢が具現化した」と熱弁を振るう。一方近藤は「この連載を始めて、お坊さんの友達が爆発的に増えた」とうれしそうに語りつつ「オススメは仏像展。有名な仏像が一堂に会しているので。それが難しい場合は、京都の東寺さんや三十三間堂さんは、アトラクションのような気持ちで楽しめるんじゃないかなと思います」と答え、トークショーは幕を閉じた。