NECパーソナルコンピュータは、11.6型のデタッチャブルPCとして世界最軽量のモバイルPC「LAVIE Hybrid ZERO」11.6型モデル(以下、LAVIE ZERO 11)の出荷を25日に開始した。

同モデルは、2月17日から山形県米沢市の「ふるさと納税」の返礼品となっており、今回、山形県の米沢市役所でLAVIE ZERO 11の採択にまつわる話を聞く機会を得た。当日はNECパーソナルコンピュータ米沢事業場のPC生産ラインも見学できたので、合わせてレポートしていこう。

NECパーソナルコンピュータの米沢事業場

ふるさと納税は、個人が2,000円を超える寄附を自治体に対して行ったときに、住民税のおよそ1割程度が所得税と住民税からそれぞれ還付、控除される制度。税制上の優遇措置だけでなく、各自治体の特産品などを特典としてもらえるケースが多い。

NECパーソナルコンピュータ製PCは、ブランド肉「米沢牛」や地酒セットなどの特産品に交じって、2015年4月に初めて米沢市のふるさと納税返礼品に採択された。同時に、PC開発拠点の米沢事業場で生産しているレノボ・ジャパンのThinkPad X1 Carbonなども返礼品に採用されている。

「LAVIE Hybrid ZERO」11.6型モデル。Web限定カラーのプレシャスゴールド

その後、米沢事業場生産PCは新モデルが出るタイミングで、米沢市のふるさと納税返礼品に採択され、今回のLAVIE ZERO 11で5回目を迎える。寄付額は300,000円からと高額だが、申し込み開始日の2月17日から1週間で43台の申し込みがあった。Web限定カラーのプレシャスゴールドも、2016年3月から返礼品に加わる予定。

「ものづくりの町として、地元産の工業製品をぜひ加えたい」と、2015年2月に米沢市役所からNECパーソナルコンピュータへアプローチ。最初にLAVIEブランドのPCが返礼品に採択されたのは、2015年4月のことだ。PCをふるさと納税返礼品に採択している自治体は、長野県安曇野市(返礼品はVAIO製PC)や、長野県飯山市(返礼品「iiyamaブランドのタブレット」)など、PCメーカーの生産拠点があるところが多いが、高価格帯の特典でもあり、自治体全体としてはまだ少ない。

返礼品に採択された2015年4月から、通算申し込み数は、米沢事業場で生産するレノボブランドの「ThinkPad」も含め約4,900台。返礼品として「LAVIE」や「ThinkPad」を申し込む人は「首都圏や大阪の人が多い」という。「申し込み者については、名前と住んでいる場所のみしかわからないが、高い寄付額の特典なので、関東圏や関西圏などで稼いでいる人なのでは」と、米沢市役所は見ている。

NECパーソナルコンピュータは、LAVIE ZERO 11の出荷日となる25日、米沢市の中川勝市長にWeb限定となるプレシャスゴールドカラーのLAVIE ZERO 11を贈呈。中川市長は贈呈されたLAVIE ZERO 11を、市民が使える場所に置く予定という。「米沢で優秀なものを作っているということを、市民に広めていきたい。(米沢市には山形大学工学部があるので)優秀な学生の受け皿として、働いたら単位をもらうといった制度があってもよいのでは。『ものづくりの米沢』を広くアピールしていきたい」と熱を込めて語った。

米沢市の中川勝市長(左)と、NEC レノボ・ジャパンダイレクト事業統括およびアジア・パシフィック eコマース事業統括の河島良輔氏ディレクター/事業部長(右)。贈呈されたモデルはCore m5採用のSIMスロット搭載モデルで、本体約410g、キーボード込みで約798g

「本当に軽い。しかもタブレットにもなる」と笑顔を見せる中川市長。当面は市民が実際にPCを触れる場所に展示するという。「県知事にもぜひプッシュしたい。紹介しますよ」と熱いエールを送る

米沢市役所の企画調整部部長のデスク。米沢市役所では業務用PCにNEC製PCを使っている。法人向けのNEC製PCは全て米沢事業場で生産されており、「米沢生産」をアピールするシールが納品時にプレゼントされたという