打倒安田に燃える香月。一軍生き残りへ大ベテランから学んだ”超一流の姿”…

志願の弟子入り
 スーパールーキー安田尚憲内野手の入団に沸く千葉ロッテマリーンズの石垣島キャンプにあって虎視眈々と一軍定着を目指し、汗を流し続ける選手がいる。プロ4年目の香月一也内野手だ。
 
「いい刺激になっています。(平沢)大河が入ってきた時も燃える想いがありましたけど、守備位置が違った。今回は同じサードのポジションで同じ左打者。ドラフトで指名をされた時から燃える想いがあった。やらないとアカンと思った」
 
 同じポジションを守るドラフト1位ルーキーの存在が香月を駆り立てた。オフはいつも以上に振り込み、走った。1月の自主トレでは大ベテランの福浦和也内野手に志願して弟子入り。1月15日から25日まで沖縄県那覇市内で自主トレを共にした。午前は下半身強化や体幹メニュー。そして午後から打撃練習。終わってからウエイト。濃厚な日々だった。驚いたのは42歳ベテランの練習量だった。21歳の自分が根を上げそうになっても、次から次へとメニューを繰り返し、黙々と汗を流す姿に驚き、自分の甘さを痛感した。
 
「初めて一緒に練習をさせていただいて勉強になりました。練習の量が違った。そして普段は冗談を言ってくれたりと面白い方なのですが一度、スイッチが入ったら集中力が凄い。年齢は僕の倍なのに、ウエイトでは自分よりも重いものを持ち上げる。自分の甘さを感じました」
 
 香月はベンチで100キロのバーベルを持ち上げるが、福浦は140キロを持ち上げていた。どんなにベテランになっても、実績を積み重ねてもさらなる高みを目指す超一流の姿を目の当たりにした。一軍で活躍するために必要なことを感じ取った日々だった。
 
「毎日、食事にも連れて行ってもらった。野球の話もいろいろとしてもらった」




横一線の競争で、一軍定着のチャンス
 昨年は一軍19試合に出場をして8安打でプロ初打点を記録した。プロでのキッカケを掴んで迎える4年目は一軍定着を目指すシーズン。自主トレを共にした大先輩からも「一軍は雰囲気に慣れないと結果を出すのは難しい。そういう意味では去年、試合に出て感じた事を今年、生かすことだ。いつだって自分のスイングを心がけろ」とアドバイスを受けた。去年の反省を一軍の舞台で生かすためには今季、新たに入団をしてきたルーキーたちは強力なライバル。一歩ずつここまで来た立場としては意地でも負けたくはない。
 
「去年、一軍の雰囲気というか、どうすれば一軍で生き残っていけるかというのは感じたつもり。後は結果を残すだけ。ホームランバッターではないので与えられたチャンスでしっかりと結果を出したい。ただ、プロ初本塁打を打ちたいという思いはもちろんあります。ヒットの延長としてのホームランを打ちたいです。そして最低でも背番号の数の57試合は出場したい」
 
 井口新監督を迎えてスタートした2018年。春季キャンプでは一、二軍枠が撤廃され、全員にチャンスが与えられた。ベテランも若手も実績も関係ない。キャンプ期間はフラットな目で見られ、全員で競争。だからこそアピールすべく燃える。結果を出して存在感を出すだけではなく、練習の姿勢でも気迫を見せる。いつも室内練習場を後にするのは最後。両手のマメを潰し、振って振って振りまくって気持ちを表している。
 
「下半身を使った打撃でヒットを打つことを心がけています。下半身強化と粘りがこのキャンプの課題。ずっと言われ続けてきたことでもあります」
 
 メディアがスーパールーキーの一挙手一投足に注目する中、ガムシャラな日々を送る背番号「57」。巧みなバットコントロールで広角に打てるシュアな打撃には定評がある。大阪桐蔭高校から2014年ドラフト5位でマリーンズ入り。すでに同期入団選手7人のうち3人はユニフォームを脱いだ。志半ばでプロの世界を去った仲間の分まで一軍の舞台で暴れることを誓う。スーパールーキーに負けじと存在感を見せる日々は続く。