ダッソー・システムズ(ダッソー)は2月15日、客船建造の大手である独マイヤー・ヴェルフトがダッソーの3Dエクスペリエンス・プラットフォームを基盤とする「オン・タイム・トゥー・シー」および「デザイン・フォー・シー」を採用したと発表した。

客船建造はほかの業界と比べて複雑性が高く、大型旅客機の部品点数が約100万点、自動車1台の部品点数が約1万点であるのに対し、客船一隻に必要となる個別部品やアセンブリの数は1000万点以上となる。

ダッソーのソリューションを導入することで、マイヤー・ヴェルフトの設計部門は統合デジタル環境を活用し、船舶の建造、オペレーション、数十年後の廃船に至るまでのライフサイクルを管理することが可能となる。今回の導入では、2015年11月発表のマイヤー・ヴェルフトの新しい技術開発センター(独パーペンブルク)の設計者、エンジニアのほか、パーペンブルクのその他の部門や、ドイツ・ロストックおよびフィンランドに同社が有する、外洋客船、リバークルーズ船、フェリー、その他船舶の建造拠点も新ソリューションを支援するという。

マイヤー・ヴェルフトは「1980年代以降、当社は常に最先端技術で客船の設計の最適化を推進してきました。そして今、新たな時代が始まっています。今日の造船業界は非常に先進的であり、洗練された未来志向の旅のコンセプトを提案するために、アイデア、知識、そして技術を組み合わせることが求められています。3Dエクスペリエンス・プラットフォームによって当社は、船殻の形状、流体力学、燃費をはじめ、さらに定員数、船内の快適性、そしてエンターテイメントに至る、世界中のお客様からの最も厳格な技術的要求を満たす、コラボレーションによる創造性を強化することができます」とコメントしている。