日本料理「小熊(こぐま)」(東京都中央区銀座)は2月1日より、国の天然記念物に指定されている「見島牛(みしまうし)」を使用したメニューの提供を開始する。

「見島牛」の特徴である美しいサシが入った霜降り

入手困難な"幻の牛肉"を、肉本来の旨みを堪能できる焼き物で

「見島牛」は、山口県萩市の見島で飼育されてきた西洋種の影響を受けていない日本在来牛。現存する日本在来牛は、ほかには鹿児島県のトカラ列島北端の「口之島牛(くちのしまうし)」だけで、「見島牛」は日本最古の在来牛となる。

日本海の離島の厳しい自然環境の中で、古くから農耕用の役用牛として飼われており、エネルギーを筋肉中に蓄える性質を高めてきたという。それにより、色濃い赤身部分に鮮やかなサシの入った天然の霜降り肉となる。また、黒毛和種の魅力である良質な肉質は、「見島牛」のような在来種から受け継がれたものともされている。

「『見島牛』のステーキ 菜の花と新タマネギを添えて」

「見島牛」は1928年(昭和3年)には国の天然記念物に指定された。もともと体が小さく食用肉があまりとれない上に、天然記念物に指定されたことで出荷数も制限されており、昨年に食用として出荷されたのはわずか2~3頭のみ。非常に希少で入手困難な正に"幻の牛肉"となっている。

また今回、「見島牛」とオランダ原産の"乳牛の女王"「ホルスタイン」のそれぞれの長所を生かした交配種、山口県萩市の特産品「見蘭牛」も提供する。

「見島牛」「見蘭牛」ともに、繊細な肉本来の味わいと自然のコクがダイレクトに伝わる炭火焼で提供。肉の表面をやけどさせないよう、ゆっくりじっくりと火を通していく。それにより、内側までしっかり火は通っているのに、しっとりジューシーな食感に仕上がっている。味付けはシンプルに、胡椒とバリ島の塩のみで、これまでに味わったことのない、肉そのものの持つ奥深い旨みを楽しめるとのこと。

左「Dominus(ドミナス) 2009」、右「風の森 ALPHA TYPE4」

さらに同店には、ワインソムリエと日本酒利酒師が常駐しており、「見島牛」「見蘭牛」に合わせた酒を紹介する。ワインは、アメリカ・カリフォルニアのナパヴァレーの「Dominus(ドミナス)」。酸味と渋味が絶妙なバランスのフルボディで、ブラックチェリーなどのエレガントな果実味が肉と相性抜群。日本酒は、「風の森 ALPHA TYPE4(アルファータイプ4)」がおすすめ。微発泡感がありながら、口当たりはやさしく、爽やかなバニラ系の香りが肉の味を引き立てるという。

同店のコース価格(税別・夜のみサービス料10%)は、昼・1万円(前日までに要予約)。夜・葵2万2,000円、雅3万円(希望相談可)。「見島牛」「見蘭牛」は特別料金となり、予約時にオーダーする。なお、提供できる数量に限りがあるため、予約時に問い合わせのこと。