双日グループでソフトウェア開発やアプリケーション仮想化ソリューションを手がける双日システムズは1月12日、2013年5月に提供を開始したMicrosoftのInternet Explorer(IE)互換ブラウザ「thinforie(シンフォリエ)」を機能アップし、IE9、IE10、IE11に対応したと発表した。

これにより、thinforieはIE6からIE11まで幅広く対応することになり、2016年1月に予定されているIEのサポートポリシー変更に伴うレガシーブラウザ対応アプリケーションの延命対策ソリューションとして広く展開していく。

すでにMicrosoftが発表しているIEのサポートポリシー変更により、2016年1月12日(米国時間)以降、使用しているオペレーティングシステムでサポートされる最新バージョンのIEだけが技術サポートとセキュリティアップデートを受けられることになる。

現在、市場で多く利用されているWindows 7以降のOSではIE11のみがサポート対象となり、IE10以前のバージョンに対応しているWebアプリケーションを利用している企業では、互換性検証やアプリケーションの改修が検討されている。

双日システムズは、これまでIE6やIE8対応のアプリケーションを上位バージョンのIEに対応させる数多くのプロジェクトを手がけており、ユーザーごとの環境やニーズの違いに応えるため、thinforieのカスタマイズや機能拡張を行い、以下のような課題を解決してきた。

  • ドキュメントモードのレンダリングルール判定方法の違いにより、適切なIEバージョンのレンダリングが選択されず、レイアウト崩れやスクリプトエラーが発生する
  • User-Agentの変更により、サーバアプリケーションが適切なIEと判断せず、適切な動作をしない
  • Active XやJavaScriptとうまく連携できず、エラーが発生する
  • ユーザーインタフェースやフォントの違いにより、画面表示や操作性が大きく変わる

今回、thinforieがIE6からIE11まで対応することにより、上記のような課題を持つユーザの利用シーンがさらに広がり、レガシーブラウザ対応アプリケーションの改修コストの大幅削減と運用負荷の軽減を実現するとしている。なお、thinforieはアプリケーション仮想化製品であるVMware ThinApp、Spoonを利用して双日システムズが導入/移行支援を行った企業に無償提供される。

同社では、thinforieとアプリケーション仮想化技術との組み合せにより、多くのユーザーのWindows OS/IE移行を実現している。これまでの導入支援において、ユーザの要望や利用環境の最適化に向けたさまざまな改良、改修をthinforieに施しており、多くのユーザの移行を実現した経験とノウハウが今回の機能追加にも活かされているという。