「介護」について関心が深まっている理由は有料老人ホームでの虐待や認知症高齢者による交通事故、介護苦悩による痛ましい事件などが起きたからだけではないようです。

どうやら、一つの理由として介護を身近に感じている人が確実に増えていることがあげることをできそうです。

今回は現代の介護事情として、みなさんの介護を覗いてみようと思います。


今まで多かった「老老介護や病病介護」


昔から馴染み深い「老老介護」。老老介護とは簡単にいえば老いた人が年老いた人を介護することをいいます。

配偶者同士の老老介護が一般的ですが、最近では親子での老老介護もめずらしくありません。

老老介護についで意外と多いのが「病病介護」。

病病介護とは、病気を抱えている人が病気の高齢者を介護することをいいます。高齢になれば何かしらの病にかかりやすいのは確かですから、ご夫婦でお互いにいたわり合わなければならないことも想像ができますね。

ご夫婦だけではなく、病気を持つ子供が介護者となるケースもめずらしくないことです。

私の持っていたケースでは、妻を亡くした認知症のある父が娘夫婦と同居されていました。娘さんは乳がんを患われており主介護者でもあります。

娘さんはご自分の体調の悪い体をさすりながら、仕方なく父の介護に起きてくるといった状況でした。

娘さんは、短い時間ですが毎日ホームヘルパーを派遣してもらい、1日に必ず休める時間やヘルパーさんに愚痴や弱音を聞いてもらうことで明日への活力をつけることができると話されていました。


これからは「認認介護」が増加


これからは「認認介護」が増加していくと予想されます。

認認介護とは認知症の人が認知症の人を介護することをいいます。

認知症予備軍の高齢者は約300万人といわれる現代、認認介護の時代がやってきます。

認知症が軽度の場合には相手を介護しているという認識は保たれることが多い為、習慣付いている日常生活はなんとかなるでしょう。認知症が進むにつれ、1日食事を摂らなかったりお風呂に入らなくなるなど、食事や衛生面での問題が生じるようになります

認知症への研究も進み、多方で認知症の早期発見を呼びかけているのもこの為とも言えます。


男性による介護や働く独身者による介護


介護施設で働く介護職員の中にも、10年前は20人に1人くらいの割合でしたが、近年では規定職員数の半数が男性職員という介護施設もめずらしくなくなりました

食事や整容など家政学の面では苦手な男性職員もいますが、介護は体力勝負という面もある為、ベッドから車椅子へ移るなどの移乗介護などは安心感が持てると好印象をうけるようです。

私のケースでは、独身の息子さんが、軽度の認知症があり歩行困難で車椅子生活をしている母を介護されています。息子さんは会社勤めの為、同居されていますが日中は独居になります。心配しながらも息子さんは出勤されています。

日中はデイサービスと、デイサービスのない日はホームヘルパーを利用されています。

息子さんはお仕事を続けながら、ヘルパーさんとのやりとりは連絡ノートをつくり連絡事項や情報交換などをされたり、会社からデイサービスへ連絡を入れて母の要望などを伝えて、ご自分が実際には介護できない分の穴埋めをされているようでした。

息子さんもお仕事をすることで、母との間が煮詰まらずに済んでいると話されることがあります。良いバランスを保ち、決して無理のない介護プランがあります。

ここで大切なことがあります。

よくやっている息子さんに介護を受けている母が依存しすぎないことも重要です。そんなこともケアマネージャーや介護職員からさりげなく伝えてもらえたら、一段と介護が楽になること間違いなしです。


介護、看護が理由での退職、転職


働き盛りの最中の突然の介護に、ほとんどの方はどうして良いのかわからなくなってしまいます。毎日余裕を持って過ごしている方はいないに等しいのですから、これは当然のことです。

介護に行き詰まり、介護、看護の為に離職される方や転職される方は、残念ながら年々増加傾向にあります。

しかしこれは、これからの時代は介護をしながら働くことがめずらしくない傾向にあるともいえます。


介護離職はまだ早い


かつて、ワーキングマザーの肩身が狭かった時代から、子供をもちながら働く女性が増えたことにより、保育園や病児保育園が充実し、小学校においても働く母親もかかわりやすいようなPTA活動や行事にシフトされつつあります。

同じ様に、社会が働きながら介護を頑張っているあなたにシフトを合わせようとしています。今ある介護資源を上手く取り入れて活用し、頑張りすぎない程度に、もう少し両立を続けてみましょう。

今回あげたのは一握りですが、介護事情はだいぶ変化していることがわかりますね。あなたの介護を理解してくれる社会の足音はもう聞こえ始めていますよ。(執筆者:佐々木 政子)