時期未定: 小型シャトル「ドリーム・チェイサー」の滑空試験飛行

スペース・シャトルのような翼をもっていることで知られる宇宙船「ドリーム・チェイサー」を開発している米国シエラ・ネヴァダ社は今年、ドリーム・チェイサーの滑空飛行試験を実施することを計画している。

ドリーム・チェイサーはもともと、国際宇宙ステーション(ISS)への宇宙飛行士の輸送に使う商業用の宇宙船として開発されていたが、競作でボーイング社、スペースX社に敗北。しかしその後も、自社資金を使って開発を続けており、現在は他国の宇宙機関や企業への売り込みや、NASAが計画しているISSへの物資の商業輸送契約の受注を狙っている。

同社は昨年10月に、2016年の前半に滑空飛行試験を行い、また実際に宇宙を飛ぶことができる機体の製造を進めていると明らかにしている。ただ、その後情報はなく、具体的な実施日時などは現時点では不明である。

組み立て中の「ドリーム・チェイサー」 (C) SNC

補給機型ドリーム・チェイサーの想像図 (C) SNC

時期未定: 中国の大型ロケット「長征五号」初打ち上げ

中国は昨年、新型の小型ロケット「長征六号」を打ち上げ、また今年4月ごろには、エンジンなどを共有する中型ロケット「長征七号」の打ち上げも予定されている。そして、エンジンなどを共有する大型ロケット「長征五号」もまた、今年中の打ち上げが予定されている。

長征五号は地球低軌道に最大25トン、静止トランスファー軌道に最大14トンの打ち上げ能力をもち、現在運用されているロケットの中で最も打ち上げ能力の大きい米国の「デルタIVヘヴィ」やロシアの「プラトーンM」に匹敵する性能となる。

中国はこれを、大型の人工衛星、とくに宇宙ステーションのモジュール(構成要素)や大型の惑星探査機の打ち上げに使うことを計画してている。

「長征五号」ロケットの想像図 (C) 中国航天科技集团公司

時期未定: 「ドラゴンV2」宇宙船、ロケットからの脱出試験と無人での初飛行

昨年末にロケットの着陸成功で話題になったスペースX社だが、同社は先進的なロケットだけではなく、先進的な宇宙船「ドラゴンV2」も開発している。ドラゴンV2は最大7人の宇宙飛行士を乗せ、ISSとの往復が可能なように造られており、いずれは火星への飛行や、さらには火星の地表への着陸も可能になるという。

ドラゴンV2は昨年5月に、宇宙船のみでの脱出試験を実施し、成功している。これにより、打ち上げ直前の段階でロケットが爆発するなどしても、宇宙船と中の宇宙飛行士が安全に脱出できることが確かめられている。しかし、実際に宇宙に打ち上げる前には、飛行中のロケットに問題が起きた際にも安全に脱出できるかどうかを実証しなければならない。

本来ならその試験は昨年のうちに行われるはずで、すでに試験用のロケットの準備も完了していた。しかし6月に「ファルコン9」ロケットが打ち上げに失敗したことや、その後の改良などが優先されたため延期され、今年のどこかのタイミングで実施されることになっている。

「ドラゴンV2」宇宙船の想像図 (C) SpaceX

2015年5月に行われた「ドラゴンV2」の脱出試験の様子 (C) SpaceX

時期未定: 「イプシロン」ロケット2号機、ジオスペース探査衛星「ERG」を打ち上げ

2013年9月14日に華々しいデビューを飾った日本の新型固体ロケット「イプシロン」。その2号機が今年、ジオスペース探査衛星「ERG」を搭載して打ち上げられる予定となっている。

このイプシロン2号機は、正確には各所を改良して打ち上げ能力を高めた「強化型イプシロン」となる。もともと2013年に打ち上げられた試験機の性能ではERGを打ち上げられなかったため、性能向上に向けた取り組みが行われていたが、別に進められていた改良計画などと統合されるなどの紆余曲折を経て、現在は「強化型」と名付けられた改良計画が進んでいる。

また2016年度中には、イプシロンの3号機で小型の地球観測衛星「ASNARO-2」の打ち上げも計画されている。

「強化型イプシロン」の第2段モーターの燃焼試験の様子 (C) JAXA

「イプシロン」ロケット2号機で打ち上げられる予定のジオスペース探査衛星「ERG」の想像図 (C) JAXA

時期未定: 中国の新しい宇宙ステーション「天宮二号」と有人宇宙船「神舟十一号」、新型補給船「天舟」の打ち上げ

中国は2003年に楊利偉宇宙飛行士が乗った「神舟五号」の成功で、ソヴィエト、米国に続いて、世界で3番目に有人宇宙飛行に成功した国となった。その後、2005年の「神舟六号」では2人の宇宙飛行士を宇宙へ送り、2008年の「神舟七号」では3人の宇宙飛行士が搭乗し、さらに宇宙船の外に出る船外活動(宇宙遊泳)を実施した。

2011年には小型の宇宙ステーション「天宮一号」を打ち上げ、同年に無人の「神舟八号」によるドッキング試験を実施した後、2012年には女性1人を含む3人の宇宙飛行士を乗せた「神舟九号」を、2013年にもやはり女性1人を含む3人の宇宙飛行士を乗せた「神舟十号」を打ち上げ、天宮一号での滞在、宇宙実験などを成功させた。

そして今年、中国は次の新しい宇宙ステーション「天宮二号」の打ち上げを計画している。天宮二号が無事に軌道に乗れば、有人の「神舟十一号」がドッキングし、ふたたび中国人宇宙飛行士が宇宙に滞在し続けることになる。また無人の補給船「天舟」の開発も進んでおり、今年から来年の間のどこかで打ち上げられ、天宮二号とドッキングする予定となっている。

中国は2020年代を目処に、ソヴィエト/ロシアが運用していた「ミール」ほどの規模をもつ大型の宇宙ステーション「天宮」の建造を計画しており、天宮二号や神舟十一号、そして天舟が成功するかどうかが、実現に向けた大きな鍵を握っている。

宇宙ステーション「天宮二号」の想像図 (C) CMSE

「天舟」補給船の想像図 (C) CMSE

【参考】

・http://spaceflightnow.com/launch-schedule/
・http://www.russianspaceweb.com/2016.html
・http://www.zarya.info/GoForLaunch.php
・http://space.skyrocket.de/doc_chr/lau2016.htm
・http://www.spaceflightinsider.com/launch-schedule/