三谷幸喜脚本、堺雅人主演による2016年のNHK大河ドラマ『真田丸』。群雄割拠する戦国の世で「智将」と呼ばれながらも、最期は豊臣家と運命を共にした武将・真田幸村の生涯を描く歴史群像劇だ。さまざまなキャラクターが登場する中、堺演じる主人公・真田信繁の兄である真田信幸を演じる大泉洋に話を聞いた。

大泉洋

――まずは信幸役のオファーを受けた時の気持ちをお聞かせ下さい。

三谷さんとは何度かお仕事させていただいておりますが、何年か前「大河をやることになったので」と直接オファーを受けまして。ところが、その時点ではまだまったく公になっておらず、「ホントに信じていいのか?」というのが正直な気持ちでした(笑)。主人公の兄の役だと聞いた時も、あまり私がやってこなかった堅い役というか、なにより実在する歴史上の人物ですし、キャスト発表会はいつになく緊張しましたね。

――信幸という人物についての印象は?

戦国の時代にありながら「家族」というものをすごく大事にしている人間だと思いました。ご存知の通り、関ヶ原の戦いで信幸は父の昌幸(草刈正雄)と信繁とは分かれて戦うわけですけど、彼は最後まで父親と弟を助けて欲しいと働きかけていくわけで、私自身、家族や兄との関係について考えさせられました。戦においても部下のことを丁寧に扱うし、かと思えば先頭切って突っ込むこともあったそうです。ただ、いざ撮影に入ると思いのほか殺陣が多くて、そこまで果敢でなくても良かったんじゃないかと(笑)。

――三谷さんの描く信幸像から感じたことは?

真田という小さな家に生まれ、大きな大名に守られないと生き残れないという状況の中、信幸は父親である昌幸がどう渡り歩くのかを学んでいく。そして嫡男である以上、のちのち真田家を継いでいかなければいけないという思いが強くなっていったのではないでしょうか。石にかじりついてでも父親について行こうとし、一族のためだったら何でも出来る男です、と三谷さんに言われて、すごく吹っ切れましたね。戦国時代なので時には非常にシビアな決断をしないといけないのですが、一族のためなら迷いがない。それが嫡男である信幸が持つ「責任感」なんだと思います。

――弟の信繁役である堺さんとの共演についてはいかがですか。

俳優としては、とてもじゃないけど「弟」とは思えないし、大先輩として尊敬してますけど、この作品においては弟にしか見えないですね。あの愛くるしい笑顔で「兄上」と呼ばれると、すごく愛しいというか(笑)。座長として現場を引っ張って行こうというのではなく、非常に自然体でいてくれるのが楽でいいですね。