オフィス24は12月9日、ホテルや旅館などの客室電話機の機能やサービスをスマートフォンやタブレットのアプリケーションで置き換え可能な新サービスである「Hotel Phone」を発表した。

従来型システムとHotel Phoneとの比較

同社は「2020年、ビジネスフォンのない社会を実現します」をスローガンにBYODソリューションを掲げているといい、個人のスマートフォンを会社の電話機として連動できるIP-PBXを製造・販売してきたとのこと。その背景には、固定電話からの通話時間や通話回数がここ8年間で半減し利用頻度が減少傾向にあることを挙げる。

宿泊施設の客室電話機も同様に利用頻度が減少しているといい、新サービスでは電話機に代わってスマートフォンやタブレット用アプリケーションを利用する。

専用アプリの機能

同サービスで用いるアプリは、従来の客室電話機の機能に加え、館内案内や観光案内、モーニングコールやクリーニングなどがアプリで操作可能であり、さらに、多言語対応した観光情報や宿泊中のホテル周辺のレストランを確認できる機能を備える。

同アプリ内の通訳サービスは11月26日にサービス開始した「MOTどこでも通訳」を同サービス仕様にカスタマイズしており、近年増加傾向にある訪日外国人への対応をホテル側と外国人観光客側双方がスムーズなやり取りをすることをサポートし、円滑な対応を提供できることが期待できるという。また、ホテル側のインバウンド対策を実現することで、宿泊利用者がより快適に宿泊ができる「おもてなし」の向上に繋がるとしている。

訪日外国人のホテル滞在期間中は同アプリを利用可能とすることで、観光地においても言葉によるストレスを軽減したスムーズなサービスが提供可能となり、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、今後増加が見込まれる訪日外国人観光客への対応としての利用も期待できるという。

さらに、将来的な追加機能として、タクシー配車や周辺施設のクーポン配信、ホテルのルームキーとして利用できる機能の提供も予定しているとのことだ。

なお同サービスは、ホテル用PBXである「MOT/Hotel Phone(IP-PBX)」の導入により、Hotel Phoneアプリと連動して実現するという。既に導入している各種PMSに対しても、カスタマイズで連動可能という。