積水化学工業(積水化学)は12月8日、自動車のフロントガラス全面に文字や図を表示することができる合わせガラス用中間膜「自発光中間膜」の基礎技術を確立したと発表した。

近年、自動車走行時の安全性向上や、車室内のIT化に対応するため、速度や車線に関する情報をフロントガラスに表示するヘッドアップディスプレイ(HUD)システムを採用する車種が増加している。

同社は2008年にHUDシステムに対応した「楔形中間幕」を発売。しかしこの楔形中間膜を利用した現行のHUDシステムは、フロントガラスの限られた部分だけに映像を投影する仕組みで表示できる情報量が限られているため、同社はより多くの情報を表示できるよう、自発光中間膜の開発をすすめている。

自発光中間膜には発光材料が含まれており、車内に設置するプロジェクターから特殊なレーザー光を照射すると、照射された部分が発光し、文字や画像を表示する仕組みとなっている。また、表示物は全角度からの視認性を有し、運転席以外の席からも見ることが可能。

自発光中間膜の使用時イメージ

自発光中間膜の仕組み

なお、12月10日~12日に東京ビッグサイトで開催される展示会「エコプロダクツ2015」にて、同技術を用いたデモ機が展示される。同社は今後、2018年の上市を目指し、自発光中間膜の開発を進めていくという。