沖縄の離島・伊江島出身の女性シンガーソングライターAnly(アンリィ)をご存知だろうか。11月25日にシングル「太陽に笑え」でメジャーデビューを果たしたばかりの新人アーティストだが、彼女の歌声を耳にする機会がこの秋以降増えつつあるのだ。

Anlyは1997年生まれで現在18歳。中学卒業までを故郷・伊江島で過ごし、パソコンもインターネットもないという環境の中で、音楽好きの父親が持ち帰るブルースやロックのCDを聴き、ギターをおもちゃ代わりにつま弾いていたという。その後、高校進学と同時に那覇市へと移り、市内で弾き語りによるライブ活動を開始。昨年6月に沖縄ナムラホールで実施されたmiwaのアコースティックライブにフロントアクトとして参加したことで、その類希なる才能に注目が集まる。

この春に高校を卒業すると、まったく無名のアーティストながらもJ-WAVEのコーナーレギュラーメンバーとして「FUJI ROCK FESTIVAL '15」や「SUMMER SONIC 2015」のレポーターに抜擢。さらに8月にはインディーズ盤『Bye-Bye』をリリースし、表題曲をはじめとするオリジナル曲に加えてガブリエル・アプリンのカバー「Please Don't Say Your Love Me」などが大きな反響を呼んだ。

(YouTube: minimuffrecords)

そんなAnlyのメジャーデビューに際して、2つの大型タイアップが決定。その1つは、本シングル「太陽に笑え」の表題曲が10月からスタートした松坂桃李主演のテレビドラマ『サイレーン 刑事×彼女×完全彼女』(フジテレビ系)の主題歌に決定したこと。今や飛ぶ鳥を落とす勢いの若手俳優・松坂に加え、木村文乃、菜々緒など注目俳優/女優が多数出演するこのサスペンスドラマを、Anlyが歌うハードなミドルロックナンバーが華麗に演出していることは、耳の早い音楽ファンならご存知のことだろう。

そしてもう1つは、注目の若手女優・平祐奈を起用したカロリーメイトの新CM「見せてやれ、底力。」篇。10月下旬から全国放送されているこのCMで、Anlyは岡村孝子の代表曲「夢をあきらめないで」をカバーしており、フルオーケストラをバックに堂々と歌うその歌声は「太陽に歌え」とはひと味違った魅力を感じることができる。

(YouTube: 大塚製薬公式チャンネル)

デビュー曲のサウンドプロデュースを手がけたのは、過去にCoccoなどを手がけてきた根岸孝旨。同じプロデューサー、同じ沖縄出身のロック系女性シンガーソングライターということでCoccoとの比較も少なからず存在するのかもしれない。そしてAnlyにはCoccoのようなエキセントリックさはないものの、一度聴いたら耳から離れない個性的な歌声の持ち主という点では、両者共通するものがある。J-POPの枠をはみ出した大陸的なロックチューン「Don't give it up! feat.Gabrielle Aplin」には憧れのガブリエル・アプリンもゲスト参加し、アコースティック色が強い「Come back」からは“島唄”的なおおらかさも表出している。本格的なロックもエバーグリーンなJ-POPも、そして土着的な楽曲も歌いこなせる18歳。この才能が本格的に開花したとき、日本の音楽シーンはまた大きく変化するのかもしれない。そういう意味でも、Anlyの今後の動向から目が離せそうにない。

(YouTube: Anly Official YouTube Channel)
(KKBOXライター:西廣智一)