NTTデータは、11月15日より新たに開設される戦略的な店舗、りそな銀行「豊洲支店(セブンデイズプラザとよす)」において、センサーとクラウドロボティクス基盤を活用したコミュニケーションロボットによる「顧客対応支援」の実現に向けた共同実証実験を開始すると発表した。

実証実験では、豊洲支店が開設される11月15日より12月末まで、センサーによる来店者検知サービスや顧客対応支援サービスといったサービスのプロトタイプを開発し、来店者および行員の意見を聞きながら、効果の測定、業務や運用における課題を抽出し、実用化に向けた検証を行うという。

あわせて、他の展示会やイベント等にも公開することでコミュニケーションロボットによる支援業務への広い意見をヒアリングする予定。

センサーによる来店者検知サービスでは、天井に取り付けられた高感度センサーにより来店者を検知し、執務室で業務を行っている行員へ通知することで、少数での店舗運営をサポート。

顧客対応支援サービスでは、来店者を検知したセンサーとコミュニケーションロボットが連携し、「いらっしゃいませ」などの声がけを行うことで顧客対応を迅速に行うという。さらに、コミュニケーションロボットが会話の内容に合わせて来店者へセルフ受付タブレット利用を促すなど、従来は行員が行っていた案内業務をサポートする。

図:店頭受付用ロボットのイメージ

NTTデータは、2015年7月、NTTおよびヴイストンの3社共同で発表した「センサーとロボットを連携させた「人の可能性を広げる」新たなサービスの実現に向けた共同実験」に基づき、研究開発中の「クラウドロボティクス基盤」、ヴイストン社製コミュニケーションロボット「Sota」、NTTサービスエボリューション研究所が開発した完全クラウド対応型デバイス連携制御技術「R-env:連舞」と、NTTメディアインテリジェンス研究所が開発した音声認識・対話制御・音声合成技術、収集対象の音声を確実に捉える集音技術を活用して、「特別養護老人ホームにおける高齢者支援サービスの実証実験」や「公共施設における来場者アンケート収集の実証実験」などを行ってきた。

NTTデータでは、本取り組みを通じて、実店舗でのコミュニケーションロボットの活用に向けたノウハウを蓄積し、顧客誘導や商品紹介など顧客対応業務の支援の幅を広げ、2016年度の実用化を目指すという。将来的には、訪日外国人増加が見込まれる2020年東京オリンピックなどイベントに合わせて、顧客対応業務の拡大、連携デバイス/センサー検討、多言語対応、それを実現するクラウドロボティクス基盤のさらなる検討を進めていくという。