リバーベッドテクノロジーは11月13日、都内で記者会見を開き、米国本社の会長兼CEOのジェリー・M・ケネリー氏がビジネスの概況の説明などを行ったほか、リバーベッドテクノロジー日本リージョンのテクニカルアライアンス・ディベロップメントマネージャーである中島幹太氏が2016年上半期の出荷に向けて開発が進められているWANよりも柔軟な接続を提供するSDN(Soft-Defined Network)テクノロジーの1つであるSD-WANのソリューション「Project Tiger(開発コードネーム)」について説明した。

米国本社会長兼CEOのジェリー・M・ケネリー氏

冒頭、ケネリー氏は「リバーベッドテクノロジーは2001年に発足し、2015年の売上高は11億ドルを見込んでいる。現在、42カ国に2000人の従業員を抱えており、これまでネットワークにおけるアプリケーションのパフォーマンスを最適化するソリューションを市場に投入してきた」と語った。

また、次世代SD-WAN製品の説明を行った中島氏は、ビジネスの現状について「ビジネスにおいては特にアプリケーションのパフォーマンスが重要になっており、機敏性やセキュリティ、コストも同時に実現しなければならない。しかし、『クラウドアプリケーションの普及』『拠点におけるサーバなどの設備や人員といったコスト』『帯域幅と動画に対するニーズ』『アプリケーションの暗号化』の4つがITパフォーマンス管理を複雑化している要因となっている」と説明した。

テクニカルアライアンス・ディベロップメントマネージャーの中島幹太氏

さらに、「リソースが分散化・複雑化しているだけでなく、ネットワークも複雑になっており、我々は複雑なネットワークを『ハイブリッドネットワーク』と定義している」と従来のネットワーク構成ではビジネスニーズを満たすことが困難となっており、優れたアプリケーションパフォーマンス、機敏性、セキュリティ、コスト管理を実現できる新たなアプローチが求められているとも指摘した。

IT管理が複雑化している要因

「Project Tiger」

そのような状況を踏まえ同氏は「複雑化したネットワーク環境に対して『ソフトウェア定義』『アプリケーション中心』『事業計画ベース』の新しいネットワークアーキテクチャを提供してきたが、我々が考える分散ネットワークはSD-WANを通じてアプリケーション中心、高機敏性、ソフトウェア定義にシフトする。Project Tigerはネットワークのルーティングサービスで拠点側のルーターとなり、我々の既存製品や他社製品と連携することが実現でき、ソフトウェア定義のネットワークを通じてアプリケーションの可視化を行い、最適なQoSなどを提供していく。また我々のSD-WANのメリットとしては回線の中でデータが最適な経路を通ってスムーズに転送できることだ」と述べた。

リバーベッドテクノロジーが目指すビジョン

最後にケネリー氏は「技術革新を起こすことによってネットワークのパフォーマンス向上やコスト削減を実現するだけでなく、包括的なメリットをユーザーに提供することができる。近年ではハイブリッドネットワークやクラウドなどが台頭しており、その中でも重要視されている技術はSDNだと考えているが、現状のSDNは幕開けの段階だ。我々は2016年に次世代のソリューションであるProject Tigerを市場投入する。この製品はソフトウェアベースでレイヤー7のアプリケーションを扱うものだ。従来であれば600行程のCLIコマンドを書き込まなければ実現できなかった作業を2~3回、マウスをクリックするだけで行えるようにするもので日本市場のニーズに合致する、我々の次なる一手だ」と日本市場への期待を寄せた。