富士通は13日、富士通研究所とニフティと共同で、試合内容に応じた情報配信や観客参加型イベントなどの競技場サービスをスマートフォンから配信するシステムを構築し、11月22日に川崎市営等々力陸上競技場で行われる「2015明治安田生命J1リーグ 2ndステージ第17節 川崎フロンターレ vs ベガルタ仙台」の試合において、来場者の協力のもと実証実験を行うことを発表した。

「Frontaleスタジアムサービス(実験)」システム概要図

実証実験は、時間や場所に応じて必要なサービスを自動的に利用可能にする「プレイスサービス基盤技術」(富士通研究所)を活用したシステムをニフティクラウド上に構築し、来場者参加型のゲーム(フロンターレGP)を通じて実施する。スマートフォンに専用アプリケーションを1つインストールするだけで、さまざまなサービスが自動実行される。これは、クラウド上に構築されたシステムがスマートフォンの場所や時間に応じて自動制御することで実現されるもので、これまで利用者が行っていたアプリケーションに関する煩雑な操作を軽減しながら、状況に応じた最適なサービスを利用することが可能になるという。

今回、大規模なユーザー利用時にサーバー側にかかる負荷やクラウドシステムの稼働状況の検証に加え、競技場など不特定多数の大勢の人が集まる場所において、各ユーザーの所有するスマートフォンを一斉に協調動作させて新しいUX体験を実施する効果についても、来場者アンケートなどを通じて検証する。

本実験結果をもとに、富士通と富士通研究所は、スマートフォンにインストールした1つのアプリケーションで複数のサービスを自動的に提供する新しいユーザーエクスペリエンス体験型サービスの実用化を検討していくとするほか、ニフティも「ニフティクラウドIoTプラットフォーム」を活用したシステム構築支援サービスの強化に取り組んでいくという。