PFUは11月11日、第5世代Intel Coreプロセッサ(開発コード名:Broadwell)を搭載した産業用途向け組み込みコンピュータ3製品10モデルをラインアップに追加したと発表した。

今回発表されたのは、PCI Express(PCIe) 3.0(×16)スロットを1つ備えた小型組み込みコンピュータ「AR2100 モデル120K」およびPCIe 3.0(×8)スロットを2つ備えた小型組み込みコンピュータ「AR2200 モデル120K」、そしてシステム オン モジュールの最上位モデルとなる「AM120 モデル215K」の3製品で、AR2100 モデル120KならびにAR2200 モデル120Kは、それぞれ「Core i7-5850EQ」「Core i7-5700EQ」「Core i5-4400E」「Celeron 2000E」の4モデルが提供される。また、AM120 モデル215Kは「Core i7-5850EQ」ならびに「Core i7-5700EQ」の2モデルが提供される。

これまで同社は、組み込みコンピュータの高性能化を実現する「EtherCATカード」や「高速メモリ共有カード」といったPCIe対応インタフェースカードを、「AR8300シリーズ」や「AR4400シリーズ」といった比較的大型な筐体向けに提供してきたが、より小型な筐体でもこうしたカードを搭載したいというニーズが高かったことから、AR2100 モデル120KならびにAR2200 モデル120Kを開発したとする。筐体サイズはAR2100 モデル120Kが「Atom E3800ファミリ(Bay Trail-I)」を搭載した「AR2100モデル100J」とほぼ同じで、奥行きが40mm伸びただけとするほか、AR2200 モデル120Kは電源を筐体内に収めた関係から、それよりも横幅と高さが若干高くなっているとする。

このほか2製品ともに、USB 3.0は6ポート、LANは標準で3ポート搭載、RS-232Cを2ポート搭載し、映像出力もDVIとアナログVGAの2系統を搭載している。また、OSとしては従来のWindows 7 Professionalに加え、Windows 10 IoT Enterpriseにも対応するとしており、IoTゲートウェイやセンサからの情報収集コントローラとしても活用可能だとする。

AR2100 モデル120Kの外観。インタフェースとしては、PCIeスロット×1、RS-232C×2、LAN(1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T)×3、USB 3.0×6、DVI-D×1、アナログVGA×1となっている。AR2200 モデル120Kは、PCIeスロットがもう1つ設置されているほか、左上のDC入力端子部分がインレットになっているのが大きな違いで、それ以外は基本的に同じだ

一方のAM120 モデル215Kは、COM Express Type6に対応したモジュールで、ECCメモリやUSB 3.0、DDR3L-1600へのサポートが施されているほか、Iris Proグラフィックス(Core i7-5850EQモデル)を活用することで、高速なグラフィック機能を利用することも可能となっている。

AM120 モデル215Kのモジュール外観。メモリは最大8GBに対応する

なお、AR2100 モデル120KおよびAR2200 モデル120Kは2016年3月より出荷が開始される予定としているほか、AM120 モデル215Kは2015年12月より出荷が開始される予定としている。主な適用分野としては、いずれも工作機械や医療機器、半導体製造装置、半導体試験装置などとしており、同社ではAR2000シリーズ全体で今後3年間で5万台の販売を目指すとするほか、AM100シリーズも今後3年間で10万台の販売を目指すとしている。