デジタル写真を「手」で操作?

「イメージングコミュニケーション」をテーマとしたエリアは、ぐっと身近に、家庭的になる。中でも来場者の興味を引いていたのは、近未来のリビングルームを想定した写真の楽しみ方だ。

デモンストレーションでは、デジタルカメラのEOSと連携するリビングテーブルや、スクリーン機能を持った壁面を用意。EOSをテーブルに置くと、撮影した写真がテーブル上にパッと広がる(投影される)。テーブル上や写真をドラッグしたりタップしたりすることで、さまざまな操作が可能だ。

近未来のリビングルーム。デジタル写真をデジタルのまま、プリント写真を手で扱うように

例えば、キャンプのワンシーン。「らんたん」とひも付く写真を設定しておくと、テーブルにらんたんを近づけたとき、らんたんに関連する写真だけがスパッと自動分類される。

特定のアイテム(写真では「らんたん」)と関連する写真を自動で分類

1枚の写真を大きく表示し、フォトフレームを写真上の好きな場所に乗せれば、トリミングだ。写真を拡大・縮小することで、フォトフレームに収める部分も自由自在。そして、フォトフレームをテーブル上の「プリント」アイコンへとドラッグ&ドロップするとリビングのプリンター(キヤノンのPIXUS)から印刷されてくるという仕掛け。

テーブル上で写真を拡大表示して、フォトフレームでトリミング。フォトフレームをテーブル上の「プリント」アイコンへドラッグ&ドロップすると……

リビングのプリンターから印刷されてきた。テーブル上で展開する写真は、壁面の大画面に表示することも可能

このシステムは、キヤノンの物理的なフォトブックとも連携する。リビングテーブルにフォトブックを置くと、そのフォトブックに収録しきれなかった写真をテーブル上に展開。テーブル上では動画を再生できるのもポイントだ。加えて、テーブル上で展開する写真は壁面への表示も可能なので、フォトブックやテーブル上の写真を操作して、壁面の大画面で家族みんなで楽しむ…といった使い方ができる。

フォトブックとの連携。フォトブックのページをめくると、テーブル上の写真も変化。フォトブックは静止画だけだが(当たり前だ)、テーブル上や壁面で動画を再生できる

こちらはカメラの写真を自動で取り込む次世代「Connect Station」。デジタルカメラのEOSを乗せると、撮影した写真を自動でコピーしたり、EOSのワイヤレス充電が可能。ネットワーク機能によって、遠く離れた家族や友人と写真をシェアしたり、スマートフォン・タブレット・クラウド連携をサポートしている

5年後にまた

Canon EXPOは5年に一度の開催で、一般の方は入場できない。そこが残念といえば残念ではあるが、製品やテクノロジーの多くは別のイベントでも展示される。例えば、10月の最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN」や、2月のカメラと写真映像のワールドプレミアムショー「CP+」などだ。次の大きなイベントは2月のCP+になるので、カメラファンはもちろん、キヤノンのテクノロジーに興味ある方はぜひ訪れてみるとよいだろう。CP+の会期は2016年2月25日~2月28日、場所は神奈川県のパシフィコ横浜だ。

最後に、次ページでキヤノンの歴史を追う展示を、年表と写真で紹介する。「F-1」や「AE-1」といった往年の名作カメラをはじめ、ポータブル複写機「ファミリーコピア」などにも感動した! 特に、40代から50代、その上の世代には、たまらないのではないだろうか。