ワイド画面になったiPhone 5

iPhone 5

「iPhone 5」では、基本デザインはiPhone 4のものを踏襲しつつ、画面比率が3:2から16:9になった(サイズも3.5インチから4インチに拡大)。これにより手の小さいユーザーは画面の端に指が届かなくなるという批判も生まれたが、現在ではもっぱら「小型」端末として扱われている。

これまで使われてきた30ピンの「Dock」コネクタから、新しい「Lightning」コネクタを採用。表裏のないリバーシブルなコネクタで使い勝手が向上したが、それまでのアクセサリとの互換性問題も若干発生した。また、第4世代通信規格「LTE」に対応したのも当機から。iPhone 5に対応するためauがLTEの導入を前倒しにするなど、日本におけるLTEの普及に一役買ったと評価できるだろう。

64bit化&touch ID搭載のiPhone 5S

iPhone 5S

「iPhone 5S」は現在のiPhoneの特徴である「64bit CPU」や「touch ID」、モーションプロセッサ「Apple Mシリーズ」を初めて搭載した端末だ。内部的には当機を境に世代が変わっていると考えていいだろう。本体色はそれまでの「ホワイト」と「ブラック」から「シルバー」と「スペースグレー」になり、さらにゴールドが追加された。LTEのサポート周波数帯が大幅に増えたが、世界中の帯域に合わせ、5モデルも用意されることになった。

日本ではNTTドコモが販売を開始し、ついに3大キャリアすべてがiPhoneを扱うことになった。また日本でもSIMフリー端末が販売されるなど、いろいろな意味でターニングポイントになった機種とも言える。

時代の徒花となってしまったiPhone 5C

iPhone 5C

iPhone 5Sと同時に発売されたモデルで、内部はほぼiPhone 5だが(LTE対応は5S相当)、ボディは3GS以来となるポリカーボネート製で、カラフルな5色展開となったほか、地の色が見える穴開きの純正カバーが多色で販売されるなど、機能よりも見た目やカラーといったスタイルでの展開を狙った製品。

当初は新興国市場を狙った低価格モデルという噂だったが、ふたを開けるとそこまで低価格というわけではなく、アーリーアダプターである新しもの好き・ハイエンド志向のユーザーがこぞって5Sに行ってしまったこともあり、セールスは不調で、現時点で後継機は存在しない。アップル自身の力を持ってしても正統iPhoneを超えるのは難しいことをまざまざと思い知らされた。