DRY and PEACEはこのほど、「乾物ヨーグルト」と「水戻しをした乾物」の味の比較実験を行い、その結果を明らかにした。

素材感・ボディー感 マトリックス

「乾物ヨーグルト」は、乾物をヨーグルトにひと晩(7~8時間)浸(つ)けこむ新しい調理法のこと。乾物が、ヨーグルトに含まれる水分(ホエイ、乳清)を吸い込むため、食感よく戻すことができる。食物繊維と乳酸菌を一緒に摂(と)ることで、腸内環境を整える効果も期待できるという。

検査は、野菜としてのうま味が備わっている「干し人参(にんじん)」と、ダシを取るための豊富なうま味を持つ「干し昆布」を対象に、味香り戦略研究所が実施した。水で戻したものとヨーグルトで戻したものを用い、「素材感のインパクト」「ボディ感・味わいの強さ」を比較した。

その結果、「ヨーグルト戻しをした干し人参と干し昆布は、水戻しに比べて『味』における素材感とボディー感が増した」という結果が得られた。同研究所は、「素材本来の味わいが大きく引き出され、味の輪郭が強まった。対象とする乾物により程度の差はあれ、他の乾物においても同傾向は期待し得る」と分析している。

素材感・ボディー感 レーダーチャート

素材感・ボディー感 棒グラフ

さらに、「ヨーグルト戻しは、『乾物に潜在する味の力』を新たに引き出す画期的な方法の一つ」とも評価した。

同研究所はこの結果について、「酸味はうま味を抑制させる効果がある。戻すために使われたヨーグルトの酸味がうま味をおとなしくさせ、その分、他の味特性となる"素材感"が引き出されたと見られる」と分析した。

「ボディー感」はワインの味を表す時によく使われるが、本来食材の味わいの強さや、しっかりした味わいがあることを表しているという。「ヨーグルトで戻したことで、輪郭のはっきりした存在感のある味になったと言える」とコメントしている。