東京都・中野サンプラザで24日・25日に開催された「ヘッドフォン祭2015」で、Klipschの新製品群を試聴した。そのうちインナーイヤー2モデルについて、じっくり聴いたサウンドインプレッションをお届けしよう。

Klipsch新製品群まとめ

今回発表されたインナーイヤータイプは、バランスド・アーマチュア(BA)デュアルドライバーの「X20i」、BAシングルドライバーの「X12i」と「X6i」、BAとダイナミックのハイブリッド「XR8i」の4モデルだ。

そのうち2ウェイ構成のX20iとXR8iは、Sonion社の音響フィルター技術「AcuPass」を採用。ウーファーとツイーターの干渉を抑え、広い帯域幅とスムーズなレスポンスを得ることが狙いだ。X20iとXR8iのドライバーはそれぞれ異なるが、クロスオーバー周波数帯の調整などチューニングにより同等の効果を実現している。

X20i

XR8i

「X12i」は、BA搭載機がまだ珍しい2008年に登場し、2014年に復活を遂げるほどの高評価を獲得した銘機「X10」を継承するモデルだ。さらに、磨きをかけたフルレンジBAドライバー「KG-926」を採用している。

エントリーモデルの「X6i」は、X12iと異なるドライバー「KG-723」を搭載するが、低域から中高域にかけてのスムースネスやバランスのよさといった、フルレンジBAドライバーならではの長所を生かしたモデルだ。

実際に聴いた印象でいうと、シングルBAドライバーを搭載する「X12i」は、従来機のX10やX11iと音のキャラクターが近い。同じくシングルBAの「X6i」も、低域から中高域にかけてのつながりが自然で、デザインはともかくBAらしい輪郭の明瞭な音が印象的だ。その意味でKlipschを知るユーザーにとっては受け入れられやすいと思うが、より興味深いのはAcuPassテクノロジーを採用した2ウェイ構成の「X20i」と「XR8i」ではないだろうか。ということで、次ページから続けてX20iとXR8iのインプレッションをお届けしよう。

今回発表されたKlipschのインナーイヤー4モデル。それぞれドライバーーユニットの構成が異なる

X20iにおけるAcuPassの概念図。フィルターとして機能することにより、ドライバー間の干渉を最小化する