ナレッジスイートは10月26日、Webサイトからの問い合わせや展示会やイベント・セミナーで獲得した見込み顧客情報に自動で企業基礎情報を付与する、マッシュアップ型WebAPI 「DRS(ディーアールエス)」の提供を開始すると発表した。

DRSは、企業が必要となる情報をインターネット上から探し出して、独自のアルゴリズムで整理し、データベース化するクラウドサービス。同サービスは、獲得した名刺について会社基礎情報を調べてデータベースとして登録しなければならないマーケティング担当者の手作業を自動化する。

DRSを通じてマッシュアップされたデータは、各種SFA/CRMサービスやマーケティング・オートメーション・サービス、名刺管理サービス、ERPや会計システム、インサイドセールスなどの各Webサービスと連携することで、見込み顧客を可視化する。各種与信データや企業データ、取引データに加え、法人版マイナンバー(法人番号)など、必要な情報を追加付与しマッシュアップしていくことも可能だ。

DRSの仕組み

DRSの仕組み

同社代表取締役社長兼CEOを務める稲葉雄一氏は、DRSを提供するに至った経緯について、こう語る。

「企業では、見込み顧客を獲得するため、展示会やイベント・セミナーで多くの見込み顧客となる名刺の確保が行われているが、マーケティング担当者が獲得した名刺を営業に渡す前、名刺の持ち主の属性として、事業内容、資本金額、設立年月日、業種などさまざまな情報を調べる必要があり、大きな負担となっている。DRSを導入すれば、こうした作業を省くことができる。また、企業情報を提供するサービスもあるが、こうしたデータは最新のものとは限らない。これに対し、DRSはリアルタイムでインターネットから情報を収集するので、最新のデータをビジネスに生かすことができる」

DRSの利用例の1つに「マーケティング・オートメーション(MA)での活用」がある。DRSを通じて、マーケティング・オートメーションに登録された見込み顧客に対しリアルタイムで会社情報が付与されることにより、「誰」から「どのような会社の誰」を特定して可視化し、ターゲットを分類することが可能になる。

稲葉氏によると、各種マーケティング・オートメーション・ツールでは、獲得した見込み顧客データの名寄せ・調査・分類を自動化する機能が抜けており、利用者は手作業で行っている状況だという。

マーケティング・オートメーション(MA)におけるDRSの活用例

DRSのサービスメニューは4種類用意されている。メールフォームからの問い合わせに対して企業基礎情報を付与する「メールフォームDRS(法人番号なし)」は月額利用料980円から、メールフォームからの問い合わせに対して法人番号付き会社基礎情報を付与する「メールフォームDRS Power(法人番号付き)」は月額利用料1980円から、各種名刺管理サービスでデジタル化された名刺に、APIを通じて法人番号や産業分類された会社基礎情報を提供する「DRS(標準サービス)」は月額利用料3万8500円から、顧客の要望に対応するためのカスタマイズ用ベースサービス「エンタープライズDRS」は月額利用料9万8000円からとなっている。

なお、企業版マイナンバー(法人番号)付与サービスは、国税庁の情報公表からできるだけ早く対応する計画。