一昨年11月以来、活発な活動が続く西之島の噴火による噴出物総量は約1.6億立方メートル、という推定結果を20日、海上保安庁が発表した。

噴出物の量は、太平洋戦争後では1990~95年に噴火活動が続いた雲仙普賢岳の約2.4億立方メートルに次ぐ大きさ。溶岩が海岸まで達し、死者1人を出した桜島の昭和噴火(1946年)の約1億立方メートルを上回る。

海上保安庁は、6月22日∼7月9日に測量船「昭洋」と無人調査艇「マンボウⅡ」による西之島周辺の海底地形調査、海底地震観測などを実施した。この結果、これまで全く分からなかった西之島の海底地形変化に関するデータが得られた。平坦で浅い地形が特徴の島の北側と西側では、岸から200メートル遠方になるとほとんど水深は噴火前と変わらない。他方、急斜面の東側、南側では水深が数十メートル(最大80メートル)浅くなり、より急傾斜の斜面が形成されていた。

西之島の陸上地形については国土地理院が、7月に無人航空機撮影の写真から、面積約2.74平方キロメートル、最高標高約150メートル、海面上の体積約0.85億立方メートルという結果を発表している。海上保安庁は、この国土地理院の調査結果と、今回得られた海底地形データから噴出物の総量を海面に姿を表している量の倍近い約1.6億立方メートルと算出した。

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