ソニー銀行は19日、Visaデビット付きキャッシュカード「Sony Bank WALLET(ソニーバンク・ウォレット)」の先行受付開始を発表した。同カードは外貨預金口座で即時決済できる機能がついたもので、日本初の11通貨に対応する。サービス開始は2016年1月4日。

Visaデビット付きキャッシュカード「Sony Bank WALLET(ソニーバンク・ウォレット)」の先行受付開始

外貨預金口座を持っていれば手数料無料に

「Sony Bank WALLET」は、ソニー銀行のキャッシュカードとVisaデビットカードが一体となったカード。最大の特徴は、日本円普通口座と10通貨の外貨預金口座で即時決済できるデビット機能だ。

例えば米ドルで外貨預金をしている場合、アメリカで「Sony Bank WALLET」を使ってデビット払いすると、代金が米ドル預金口座から即時に引き落としされる。対応通貨は日本円、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、スイスフラン、香港ドル、カナダドル、南アフリカランド、スウェーデンクローナで、11通貨対応は日本初。

外貨預金の残高がある場合、該当口座から即時引き落とし

また、外貨預金口座の残高が不足している場合は、不足金額相当分を円普通預金口座残高から即時換金して引き落としをすることができる「円からアシスト」機能も備える。現地通貨の口座からの引き落としであれば両替手数料は無料、「円からアシスト」を使用した場合でも、手数料はクレジットカード払いより割安となる。

外貨預金の残高不足分は円普通口座から即時引き落としとなる

海外ショッピング利用で対象10通貨以外、又は対象通貨の口座を持っていない場合は、国際提携機関の指定するレートに基づき円換算した金額に手数料などを上乗せした金額が円普通預金口座から即時引き落としされる。

キャッシュカード機能としては、セブン銀行やイオン銀行などの国内の提携ATM9万台以上から引き出し可能。また「Visa」「PLUS」マークの付いた海外ATMから現地通貨を引き出すこともできる。

新しい通貨の形を提案

19日に銀座 ソニービルで実施された発表会には、今年6月にソニー銀行 代表取締役社長に就任した伊藤裕氏が登場。2002年にソニーヨーロッパのCFOに就任し、ユーロ通貨統合の現場を経験した同氏は「個人の金融行動にイノベーションを起こすことがソニー銀行のミッション。自分のタイミングで外貨を購入できて、海外に行ったときに自由に使える機能を持つ『Sony Bank WALLET』を新しい通貨の形として提案していきたい」と語った。

また開発を担当した商品企画部長 國津雅央氏は、多通貨のデビット即時決済や「円からアシスト」など、一歩先を行くサービスを提供することがソニー銀行の「Fin Tech(金融とITの融合サービス)」だと胸を張る。

「24時間365日対応の外貨即時決済は、OPEN系の基幹系システムにより実現したもの。外貨決済のメリットは、円高時に外貨をまとめて買っておいてそれをあとから使うことができる点にある。さらに外貨の積み立て購入で、購入レートを平均化することもできる。今までは『海外に行くタイミングで運が良ければ円高で得、運が悪ければ円安で損』というのが常識だったが、これからは能動的に為替レートをコントロールすることが常識になると考えられる」(國津氏)

ソニー銀行 商品企画部長 國津雅央氏(左) 同社 代表取締役社長 伊藤裕氏(右)

「Sony Bank WALLET」の年会費・新規発行手数料は無料。海外でのデビット払いの手数料は、該当10通貨の口座を持っている場合は無料、持っていない場合は利用金額の1.76%がかかる。

海外ATMの手数料は、対象10通貨の場合は引き出し金額の1.76%(税込み)、対象10通貨以外または対象通貨の口座を持っていない場合は、引き出し金額の1.76%にATM使用料216円(税込み)が加算される。