日本マイクロソフトは10月2日、「Exchange Server 2016」の提供を開始したと公式ブログで発表した。新バージョンはデータ損失防止(英語)、可用性管理、ストレージ障害からの自動回復、WebベースのExchange管理センターなどの Exchange 2013で新しく導入された機能をベースに構築されており、様々な機能強化が施されている。

共同作業のイメージ

今回、ExchangeとほかのOffice製品の統合を進め、企業の生産性と共同作業の効率を向上できるようにした。ドキュメントの共有を簡素化したことでバージョン履歴を管理する手間を省くためファイル添付の新しいアプローチを採用し、Outlook 2016やOutlook on the webと同様に従来のような添付ファイルとしてではなく、SharePoint 2016(現在はプレビュー版を提供中)やOneDrive for Businessへのリンクをドキュメントの代替として添付できるようになり、共同編集やバージョン管理を効率化できる。

改良したブラウザ版Outlookのイメージ

また、様々なデバイスでWeb エクスペリエンスを利用するために、Outlook on the webに大幅な改良を施し、新機能として一括処理やピン留め、インライン返信、受信トレイの1行表示、新しいテーマ、絵文字が導入しており、HTMLのレンダリングも強化したことでブラウザ版Outlookを改良している。

さらに、新たに高速の検索アーキテクチャを導入。より正確で完全な検索結果が得られるようになり、Outlook 2016はExchange 2016バックエンドのパワーを使用するよう最適化されているため、新旧のメールの中から必要な情報を素早く検索できることに加え、検索候補、連絡先の候補、結果の絞り込み、予定表イベントの検索などの機能が拡充されており、検索機能が改良されている。

そのほか、拡張性の強化やeDiscoveryの機能改良、アーキテクチャの簡素化、自動復旧機能の可用性を向上させている。新バージョンはExchange 2013と同様に累積更新プログラム(CU)が3カ月ごとに提供し、不具合の修正、製品の改良、およびOffice 365の一部の新機能が実装されている。

また、CUにはパッシブコピーからの検索インデックスの取得機能など、オンプレミス環境に適用するための改良や検証が必要とマイクロソフトが判断した機能が含まれ、CUの初回提供は2016年第1四半期を予定している。