米Facebookが「いいね!(Like!)」に加えてほかのボタンの導入に向けて準備を進めているという。"Like"の反対でよくない、嫌などの意味となる"Dislike"ボタンを要求する声に応えるものだが、名称や位置づけも「Dislike」とは異なるものになりそうだ。共同創業者兼CEOのMark Zuckerberg氏が9月15日、本社で開催したタウンホールミーティングで明らかにした。

新ボタンについて語るザッカーバーグ氏

Facebookの公式ページで公開されたタウンホールミーティングのビデオによると、あるエジプトのユーザーからの「Likeボタン以外の選択肢が必要だ。"I'm Sorry(ごめん)""Interesting(おもしろい)""Dislike(好きではない)"」という質問に対し、Zuckerberg氏は、「Dislikeボタンへの要望は数年前からで、数百人の人々からDislikeボタンを求める声をもらった」と述べたのち、「今日は特別な日だ。というのも、これに取り組んでおり、間もなくテストをスタートするとお伝えできるからだ」と続けた。

これまでZuckerberg氏は友人の投稿に対して否定的な感情表示が集まることがよくないとの考えから、Dislikeボタンの導入に踏み切らなかった。「Facebookを友人の投稿に支持、不支持を投票するフォーラムにしたくなかった」とZuckerberg氏は語る。だが時間の経過とともに、ユーザーのニーズは友人の投稿を支持しないと評価したいのではなく、共感を表明することにあると理解するようになったと説明した。

「すべてのモーメントが良いモーメントではない。現在問題となっている難民危機など自分の気持ちが動くもの、あるいは家族が亡くなったなどの悲しい出来事をシェアするとき、その投稿に対し"いいね!(Like!)"といわれてもいい気がしないかもしれない。だが友達や家族は、投稿を理解していることを表現したいと思っている」とZuckerberg氏。

だが、いいね!以外の感情共有をどうするかは簡単にはいかなかったようで、「取り組んでいる。だが、シンプルに("いいね!"以外の)インタラクションを可能にすることはかなり複雑だった。だが、われわれにはアイディアがあり、まもなくこのアイディアのテストができる準備が整うと思う。その後経過を見て、幅広く提供していく」とZuckerberg氏は述べた。

「Like!」の導入は2009年、Facebookが世界的にユーザーを獲得し始めた頃だ。Facebookは現在、世界に15億人のユーザーを抱える。

※編集部追記
文中でも言及しているが、他ニュースサイトで触れられているような「dislike」ボタンではなく、新たなボタンはあくまで「likeではないもの」となっている。 なお、日本語表記について、日本の広報部に問い合わせたものの、具体的な内容についてはコメントできないとした。