ファン待望のシリーズ初オリジナル長編映画『劇場版 弱虫ペダル』が、8月28日より全国で公開されている。平凡なオタク少年・小野田坂道が、高校で自転車競技部に入り、自転車ロードレースの才能を開花させていく超人気漫画『弱虫ペダル』。コミックス累計発行部数は1,400万部を超え、現在も『週刊少年チャンピオン』(秋田書店発行)で手に汗握るレースが連載中。2012年に舞台化され、2015年10月には第7作目となる舞台「『弱虫ペダル』IRREGULAR~2つの頂上~」の公開も控えており、今最もチケットが取れない2.5次元舞台として知られている。

『劇場版 弱虫ペダル』より

『弱虫ペダル』は2013年10月にアニメ化され、2015年3月まで第2期が『弱虫ペダル GRANDE ROAD』のタイトルで放送された。主役の小野田坂道を演じたのは、当時デビューしたての新人・山下大輝。小野田坂道と共に成長を遂げてきた彼に、劇場版への想いを伺った。

――劇場版のシナリオは、原作者・渡辺航先生の書き下ろしたオリジナルストーリーですが、山下さんにとってどんな想いがありましたか?

まず劇場版の制作が決定したことだけでもうれしかったのですが、さらに渡辺先生のオリジナル原案だと聞いて喜びが倍増しました! 原作でこの先の展開を知っているだけに「どうやって繋げていくんだろう」とワクワクしましたし、実際にシナリオを読んだら「インターハイが終わったあとにこんなドラマがあったんだ!?」と感動しました。

小野田坂道役の山下大輝

――TVシリーズで描かれたインターハイ後から、新生チーム総北の誕生までの間を描いたお話ですよね。原作通り、巻島が留学のため自転車競技部を去ることになるのですが、坂道はこのことをどう受け止めていると思いますか?

あまりにも早すぎる卒業だし、衝撃的すぎて受け入れられないという気持ちが非常に強かったんじゃないかなと思います。でも、留学は仕方のないことですし、巻島さんが決めたことなら応援したいという気持ちもある。さらに、これからの大会に向けて巻島さんが抜けた穴を自分はどうやって埋めたらいいのかというプレッシャーもあって……。自分が穴を埋められるのかという不安、がんばらなければいけないという重荷が色々な形で圧し掛かってきて辛いんじゃないかなと思います。坂道にとってどれだけ巻島さんが大きな存在だったのかが、この劇場版で描かれているように思います。

――本作の舞台は熊本で開催される「熊本 火の国やまなみレース」になります。総北、箱根学園、京都伏見、広島呉南など有名校が揃った様はまさにドリームレースですね!

いいところをこれでもかと詰め込んでいます。もう一度観たかったあのシーンが蘇ったり、「あの人とあの人が戦ったらどうなるんだろう?」という対決が実現したり。スプリンターにはスプリンターの戦いが、クライマーにはクライマーの戦いがあって、それぞれ見せ場があります。『弱虫ペダル』はみんなにスポットが当たる作品だなと改めて思いました。

――宮野真守さん演じる新キャラクターの吉本進はどのようなキャラクターでしょう?

熊本台一は田浦さんの印象が非常に強かったんですが、吉本さんはその熱い田浦さんと対極の位置にいるクールな人。田浦さんが賑やかに盛り上げて、吉本さんがクールに締めるといういいバランスで、「熊本台一って本来はこういうチームなんだ」と思いました。

吉本さんは怪我でインターハイに出場できなかったんですが、もし出場していたら熊本台一は待宮さんに騙されなかったんじゃないかなと。勝負が変わったかもしれませんね。そしてクライマーなので、坂道のライバルにもあたるポジションです。今回のレースの中でどんな戦いを繰り広げるか注目です。