東京都・品川の原美術館は、ドイツ銀行の現代美術コレクションより、1970年代から最近にいたる写真芸術の魅力を紹介する「そこにある、時間―ドイツ銀行コレクションの現代写真」を開催する。会期は9月12日~2016年1月11日(月曜・9月24日・10月13日・11月24日・12月28日~1月4日休館、ただし9月21日・10月12日・11月23日・1月11日は開館)。開館時間は11:00~17:00(祝日を除く水曜は20:00まで)。入館料は一般1,100円、大高生700円、小中生500円。

曹斐(ツァオ フェイ)「自分の未来は夢にあらず 02」
2006年/120x150cm/Cプリント
(c)Cao Fei/Deutsche Bank Collection

やなぎみわ「My Grandmothers: MINEKO」
2002年/87.5x120cm/Cプリント
(c)Loock Galerie/Deutsche Bank Collection

同展は、紙の作品のコレクションとしては最高峰とされる、ドイツ銀行の現代美術コレクション約6万点より、1970年代から最近にいたる写真芸術の魅力を、アジア・アフリカ・アメリカ・ヨーロッパのアーティスト約40組60点の秀作で紹介するもの。「《時間》を切り取ってメディアに定着させる」という写真の性質を活かしたさまざまな表現を鑑賞することで、芸術表現としての《写真》の魅力を再確認するという試みとなっている。また、世界各国のアーティストたちが共通言語としての現代美術にいかに取り組んでいるのか、という点も同展の見どころ。ベルント&ヒラ ベッヒャー、アンドレアス グルスキー、ゲルハルト リヒターなど国際的に知られるドイツの作家たち、曹斐(ツァオ フェイ)、ヂョン ヨンドゥ、劉錚(リウ ジェン)など近年注目を集めるアジアの作家たち、杉本博司、佐藤時啓、やなぎみわなど日本の作家たち、さらに、アフリカ・アラブ・東欧など、それぞれの文化的・社会的背景のもとで模索する作家たちの表現から、加速化するグローバリゼーションの流れの中にある現代 の写真表現を展観する試みとなる。なお、同展は、英語題名「Time Present - Photography from the Deutsche Bank Collection」として、アジア各国の美術館を会場とする国際巡回展。2014年秋にシンガポール美術館で開催されたのを皮切りに、インド・ムンバイの国立近代美術館(2015年春)を経て、日本では同美術館のみの開催となるということだ。

杉本博司「ローズクラン ドライブインシアター、パラマウント」
1993年/42x54cm/ゼラチンシルバープリント
(c)Hiroshi Sugimoto/Deutsche Bank Collection

アネット シュトゥート「記憶」
2004年/180x250cm/Cプリント
(c)Anett Stuth/Deutsche Bank Collection

ゾーラ ベンセムラ「アフガニスタン」
2009年/61x85cm/Cプリント
(c)REUTERS/Zohra Bensemra/Deutsche Bank Collection

また、関連企画として、同美術館学芸員によるギャラリーガイドが開催される。開催日時は日曜・祝日の14:30~約30分。そのほか、ドイツ銀行コレクションの中から、曹斐(ツァオ フェイ)、フリオ セザール モ ラレス、蔡國強(ツァイ グオチャン)の映像作品上映が行われる。開催日時は、会期中の水曜日(9月23日と12月23日はのぞく)、18:00~約45分間。予約不要。また、ドイツ銀行 グローバル ヘッド オブ アート、フリードヘルム ヒュッテ氏による「開催記念キュレータートーク」が開催される。開催日時は9月12日14:00~16:00。参加に際しては事前予約が必要となる。いずれも参加費無料、ただし入館料が必要となる。そのほか、出品作家の佐藤時啓(2015年芸術選奨文部科学大臣賞受賞)による、親子で参加できる体験型ワークショップが10月31日に開催される。なお、予約方法など、詳細は[同美術館Webサイト]を参照。現在掲載されていないイベントも企画されており、決まり次第発表の予定ということだ。