新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は9月8日、次世代航空機への搭載に向けた装備品の開発に着手すると発表した。

現在、航空機の装備品の大半は欧米のメーカーで製造されており、納入実績が少ない日本のメーカーにとって、市場で収益を得ることが難しい状況にある。

今回NEDOは、2020年代半ば以降に市場投入される次世代航空機に向けた軽量・低コストかつ安全性の高い装備品の開発に着手。2015年から5年間を事業期間とし、5テーマを選出した。プロジェクト期間中はステージゲート審査を設け、実現性が高いテーマに絞り込むことで、装備品の実用化を加速するとしている。

採択されたテーマと委託予定先は以下の通り:

採択テーマ(委託予定先) 内容
次世代エンジン用熱制御システム研究開発(住友精密工業) 熱制御システムの構成要素、および高効率で軽量コンパクトな熱制御システムの開発。
次世代降着システム研究開発(住友精密工業) 電動アクチュエータを用いた電動化脚揚降システム、牽引車やエンジン推力を使用せずに機体を地上走行させる電動タキシングシステム、および磁性流体等の外部磁界による磁化を利用した電磁ブレーキシステムの開発
次世代コックピットディスプレイ研究開発(横河電機) 大画面・人間適応型形状ディスプレイモジュールの開発、およびタッチパネル機能の開発
次世代空調システム研究開発(島津製作所) 冷媒の蒸発/凝縮による潜熱を利用して航空機の電子機器等の発熱を高効率(小型、軽量、低消費電力)で冷却可能な二相流体熱輸送システム、および作動状態(回転数)を可変制御できるスマート軸流ファンの開発
次世代飛行制御/操縦システム研究開発(東京航空計器) 対気速度の計測に使用されるピトー管、エア・データ・コンピュータ(ADC)、アクチュエータ・コントロール・コンピュータ(ACC)、光通信(EO)、および電動アクチュエータ用のモータコントローラから構成される、操縦バックアップシステムの開発

装備品(航空機システム)の適用場所イメージ