NECは9月3日、マレーシア国内のマレー半島とボルネオ島を結ぶ大容量光海底ケーブル敷設プロジェクトである「SKR1M(Sistem Kabel Rakyat 1 Malaysia)」を受注したと発表した。2017年半ばに稼働開始を予定している。

光海底ケーブルSKR1Mの敷設マップ

現在マレーシアでは同国政府の主導により国内情報網強化を推進している。同ケーブルはその一環として建設し、同国の情報化を加速させる通信基盤として期待されている。

同ケーブルは、マレー半島とボルネオ島の6都市・5区間を結ぶ総延長距離約3,700kmの光海底ケーブルで、マレーシアの大手通信事業者であるTelekom Malaysia(TM)、TT dotCom(TTdC)およびNECの間で建設請負契約を締結した。同ケーブルは1波長あたり100Gbpsとなる光波長多重方式に対応し、建設時の初期容量は4Tbps。

同社は過去40年以上にわたり海底ケーブル・システム事業を手掛け、地球5周分のべ20万kmを超える敷設実績があり、日本を含むアジア・太平洋地域で強みを持つ。また、陸上に設置する光伝送端局装置、光海底中継器や光海底ケーブルなどの製造、海洋調査とルート設計、光海底ケーブル・システムの据付・敷設工事、訓練から引渡試験まで、全てをシステム・インテグレータとして提供しているという。特に、深海8,000メートルの水圧に耐えられる光海底ケーブルは、日本で唯一製造可能なNECの子会社であるOCCが担当している。