さくらインターネットは9月3日、Microsoft Azureテクノロジを利用するプライベート・クラウドを、同社が北海道石狩市に持つ石狩データセンターで構築可能な「さくらプライベートクラウド powered by Windows Azure Pack」を提供開始した。

さくらプライベートクラウド powered by Windows Azure Packのシステム構成イメージ

新サービスは、オンプレミスの堅牢さとホスティングの手軽さ、Azureと一貫したエクスペリエンスを持つとするプライベート・クラウド・サービスです。石狩データセンター内にユーザー専有のラック・スペースを用意し、オンプレミスと同等という堅牢な環境を実現、使用するハードウェアも全て専有型で提供する。

ライセンスも含めて全てサービス利用費のみで使えるため、ユーザー自身が資産を持つ必要が無いという。所有でも利用(共有)でもない、“専有"という第3の選択肢を提供する。

同サービスでプライベート・クラウド基盤として採用した「Windows Azure Pack」は、Windows ServerおよびSystem Center上でAzureと一貫したユーザー・エクスペリエンスとサービスを実現するもので、Microsoft Azureテクノロジの集合体。同サービスは、Azureとのハイブリッド・クラウドを実現するための最適なソリューションだと同社はいう。

また同サービスはハイブリッド・クラウドの課題を解決するために、パブリック・クラウドであるAzureとのハイブリッド利用を前提に開発したとのこと。Azureとの連携に加えて、同社のサービスである「さくらの専用サーバ」「さくらのクラウド」との接続も可能とのことだ。

石狩データセンターの外観

同サービスを運用する石狩データセンターは、2011年11月に開設。地震・津波・液状化リスクの低い安全な立地であり、耐障害性およびセキュリティの高い設備を備えているという。北海道の冷涼な外気を活用した外気冷房によるエネルギー効率の向上、東京ドームの約1.1倍というスケールメリットを実現する。

同サービスは、Windows ServerおよびSystem Centerを基盤とする。これらを一元管理するシステムとしてWindows Azure Packを適用することで、Azureのような管理が可能とのこと。多数の導入実績を誇るというWindows ServerとSystem Centerをベースにしているため、安心して運用できるという。

サーバなどの機器の購入や日々の運用は同社が対応する。ユーザーはサーバなどの機器資産を持つ必要が無くハードウェアの故障対応も同社に任せられるため、管理工数を大幅に削減できるとしている。

さくらプライベートクラウド powered by Windows Azure Packの利用イメージ

さらに同サービスは、Azureや同社が提供するIaaS型クラウド「さくらのクラウド」と組み合わせて、ハイブリッド・クラウドとしての利用も可能とのこと。また、石狩データセンターで提供する「さくらの専用サーバ」などとのL3接続も可能だという。