キヤノンマーケティングジャパン ITグループのエディフィストラーニングは8月24日に、従業員の生産性を向上し、健康経営を実現する人材育成プログラムとして「実務直結!マインドフルネスプログラム」を10月1日より提供開始することを発表した。

マインドフルネスとは、瞑想などを取り入れた「心身ともに健康で、知性と活力があり、高い生産性を目指す」ための手法とされている。その効果としては、従業員の集中力・創造性を高めることでイノベーションを創出したり、他者への共感性を高めてリーダーシップを発揮したりすることが期待されている。欧米では、すでにその効果について多くの実証的研究報告も出ており、GoogleやIBM、インテル、アップルなどの企業では社内トレーニングとして実施されているという。

マインドフルネスの効果

同社では、健康経営を実現する施策として、2通りの考え方を示している。1つめは「健康な人材を不健康にしないための施策」「不健康な人材を健康にするための施策」、2つめは「健康な人材をさらに健康にし、生産性を向上させる施策」である。前者は生産性低下を防止するための施策で、後者は生産性を向上させるための施策として捉えている。同社は、「実務直結!マインドフルネスプログラム」を後者の施策として位置づけている。

健康経営に対する2通りの考え方

本プログラムは、マインドフルネス精神療法協会理事長の大田健次郎氏が20年以上の鬱的不調者への改善実績を取り入れた独自のマインドフルネス心理療法(SIMT)をベースにし、健常な労働者の生産性を高めるためのプログラムとして構築しているという。

プログラムには5種類あり、入門研修である「実務直結!マインドフルネス入門」は、2日間の集合研修の間に2週間の現場実践を行う実務直結型の構成で、受講者の生産性を阻害する癖を見つけてその対処法を体得できるものとしている。

同社によると、サービス開始に先立って5月に実施した野村総合研究所向けの先行体験研修(90分版)では、募集開始後2時間で40名の定員が満席になり、受講後には約75%の受講者が本研修に関する案内を希望するなど高い関心が寄せられているという。

入門以外のプログラムには、「マインドフルネス関係性変革ワークショップ」「マインドフルネスエグゼクティブコーチング」「マインドフルネス統合コンサルティング」「マインドフルネス体験セミナー」が用意されている。

「マインドフルネス関係性変革ワークショップ」は、周囲の人との関係性に気づき、相互の意志をもとに関係性の改善・進化を図り、組織的な生産性を向上させることを目的としている。研修期間は2日間(2泊3日)で、受講料は一人あたり15万円。

「マインドフルネスエグゼクティブコーチング」は、経営や組織に大きな影響を与えるリーダーを対象としており、研修時間は50分、受講料は30万円となっている。

「マインドフルネス統合コンサルティング」は健康経営の方針に基づき、社内で効果的にマインドフルネス投資を進めることを目的としている。研修期間は2日間~となっており、受講料は100万円~となっている。受講料はいずれのプログラムも税抜価格となっている。

各プログラムの考え方。「個人」「組織」「経営」のそれぞれの箱(範囲)に合わせた研修内容となっている

同社は、2015年を日本におけるマインドフルネス元年として、本プログラムの本格的展開を図り、2016年末までに2,000万円の売上を目指すとしている。なお、一社向けのマインドフルネス体験セミナーは初回無料となっている。体験セミナーは1開催あたり40名までが定員となっており、2回目以降の受講料は20万円(税別)となっている。

本番プログラムは10月1日からの開始となるが、体験セミナーは随時相談を受け付けるとしている。また、体験セミナーは企業向けのサービスとなっているが、そのほか各プログラムは個人単位での申し込みも可能となっている。