東京都・西新宿の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館は、20世紀初頭のパリで活躍し、親しみやすく甘美な作品を描いた画家たちの作品を展示する「もうひとつの輝き 最後の印象派 1900-20′s Paris」を開催する。会期は9月5日~11月8日(月曜休館、ただし9月21日・10月12日は開館)。開館時間は10:00~18:00(金曜は20:00まで)。観覧料は一般1,200円、大・高校生800円、65歳以上1,000円、中学生以下無料。

アンリ・ル・シダネル《日曜日》1898年 油彩/キャンヴァス 112.5×192㎝ ドゥエ、シャルトルーズ美術館 photo (c)Douai, Musée de la Chartreuse - Photographe : Hugo Maertens

シャルル・コッテ《星の夜》1894年 油彩/キャンヴァス 45×81㎝ ティエーリー・メルシエ画廊 photo (c)Yves Le Sidaner

同展は、印象主義や新印象主義といった前世紀のスタイルを受け継ぎながら、親しみやすく甘美な作品を描いたカリエール、アマン=ジャン、ル・シダネルら、「画家彫刻家新協会」のメンバーから、約20名の作家による作品約80点を展示し、20世紀初頭のパリで活躍した芸術家たちの作品を紹介するもの。「画家彫刻家新協会(ソシエテ・ヌーヴェル)」は、若い芸術家たちの作品を発表する目的で結成されたグループで、おもにサロン出身の芸術家たちで構成され、1900年から1922年まで、パリのジョ ルジュ・プティ画廊で毎春展覧会を開催していた。彼らはフォーヴィスムやキュビスム等の前衛的な芸術運動に加わらなかったため、モダニズムを主体とする美術史の視点からあまり取り上げられることが無かったという。しかし見たままに描きながらも自然や事物に潜む詩情を表現した彼らの作品は、商業的にも批評的にも成功を得、会員の多くが万国博覧会で賞を獲得するなど、20世紀初頭におけるフランス美術界の一端を担うようになった。

エルネスト・ローラン《背中》1917年 油彩/キャンヴァス 64×53cm 個人蔵 photo (c)Yves Le Sidaner

アンリ・デュエム《羊飼いと羊の帰還》制作年不詳 油彩/キャンヴァス 134×98㎝ ドゥエ、シャルトルーズ美術館 photo (c) Collection Musée de la Chartreuse -Douai

エミール・クラウス《リス川の夕陽》1911年 油彩/キャンヴァス 71×92㎝ 個人蔵/協力 パトリック・ドゥロン画廊 photo (c)Galerie Patrick Derom

また、関連企画として、休館日に貸切の美術館で、ボランティアガイドと対話しながら楽しむ参加型の作品鑑賞会「ギャラリー★で★トーク・アート」が開催される。開催日時は10月19日14:00から2時間程度。参加費は1,000円(観覧料不要)、中学生以下無料。参加に際しては10月5日までに同美術館ホームページより申込が必要となる(申込多数の場合は抽選)。そのほか、同美術館学芸員が展示室で作品解説を行うギャラリートークが開催される。開催日時は9月11日17:30および9月12日13:30から、いずれも30分程度。参加費無料(要観覧料)、申込不要。