三菱電機は8月6日、キャニスター型のサイクロン式掃除機「風神」の新モデル「TC-ZXE30P」(以下、TC-ZXE30P)を発表。同日、都内で開催された製品発表会では、TC-ZXE30Pの新機能について説明があったほか、開発背景などが明かされた。

キャニスター型のサイクロン式掃除機「風神」の新モデル。左2台が「TC-ZXE30P」、右が下位モデルに当たる「TC-ZXE20P」

生活に合わせた3スタイルの掃除機

三菱電機の掃除機ラインナップについて説明する田代氏

発表会の冒頭では、三菱電機ホーム機器 代表取締役社長 田代正登氏が登壇し、同社掃除機の展開について語った。田代氏は「三菱電機では、空気清浄機と一体化したスティック型掃除機『iNSTICK』、軽量コンパクトながら吸引力の強い紙パック式の『Be-K』、吸引力が持続するフィルターレスサイクロン式の『風神』という3シリーズを展開。生活やシチュエーションに合わせて掃除機を選べるようになっている。風神シリーズでは、従来から本体の軽さと強い吸引力、きれいな排気、シンプルな使いやすさにこだわっている。新モデルは、これらの基本機能を強化し、さらにまったく新しい掃除のスタイルを提案している」とコメントした。

スティック型掃除機「iNSTICK」と紙パック式掃除機「Be-K」、フィルターレスのサイクロン掃除機「風神」。三菱電機では、ニーズに合わせて3種のラインナップを展開する

TC-ZXE30Pについて説明する岩原氏

見た目が大きく変わった

続いて、三菱電機ホーム機器 家電製品技術部次長 岩原明弘氏が新製品について説明した。TC-ZXE30Pは、ゴミと空気を遠心分離するサイクロン構造で、フィルターに頼らず99.9%のゴミをダストカップ内に捕集できる。

サイクロン構造において、従来モデルから一番変わったのは空気の経路だ。従来モデル「TC-ZXD30P」は、ゴミをサイクロン部で旋回させる都合上、本体ホース差し込み口からサイクロン旋回室までの風路が330mmあった。しかし、新製品のTC-ZXE30Pは、ホース差し込み口を本体上部へ変更し、ゴミを直接サイクロン部へ吸い込む。これによって風路は26mmと、大幅に短縮できた。

風路を短縮したことで、本体サイズもよりコンパクトになった。さらに、新しくモーターのフレーム素材にアルミを使用したことで、モーターの重量はTC-ZXD30Pと比較して約15%軽量化。本体質量は約21%軽くなっている。

従来モデルでは330mmあった風路が、新製品では26mmと、約92%短縮された。会場には新旧製品のカットモデルも展示され、風路の長さを見比べることもできた

風路を短くすることで、本体サイズはコンパクトに。また、軽量な新モーターの採用などで、本体質量は2.9kgまで軽量化

ゴミを遠心分離する「サイクロン部」と、ゴミを溜める「集じん部」を分離させた構造のため、ゴミが溜まっている集じん部には風が通らない。風がゴミをかく拌せず、排気時のニオイを大幅にカットできる。さらに、サイクロン部を通過した排気を、HEPAフィルターとULPAフィルターに通すことで、0.3μm以上の微細なハウスダストを99.999%捕集、きれいな排気を実現するという。

【左】綿ゴミなどの大きなゴミと微細ゴミを別々に分離。集じん室には気流が入らない構造になっており、排気のニオイを低減できる。【右】会場では、ニオイ玉を吸い込ませたTC-ZXE30Pの排気臭を確認するデモンストレーションも実施。写真は動作中のTC-ZXE30Pだが、カップ内にたまったニオイ玉は全く動いていない