日立製作所の英国における鉄道システム事業会社である日立レールヨーロッパは7月30日、鉄道運行会社のFirstGroup plcとファーストグループ社の子会社であるFirst Great Westernが運営する英国南西部の路線に向けた、標準型都市間車両「AT-300」173両(29編成)の納入および車両の保守に関する正式契約を締結したと発表した。

今回の案件は、英国都市部のロンドン・パディントンから英国南西部のプリマスおよびペンザンスを結ぶ主要路線で利用されている、40年前に製造された高速車両を置き換えるもの。

納入する車両「AT-300」は、2012年に受注したDfTの都市間高速鉄道計画(以下、IEP:Intercity Express Programme)向けに設計されたClass 800シリーズをベースにしており、電化区間だけでなく、非電化区間でも走行するために、車両の床下にディーゼルエンジン付き発電機を装備している。

また、デボン州やコーンウォ-ル州での急勾配に対応すべく、エンジンの出力をIEP向けの車両よりも向上しているほか、ロンドン-ニューベリー間の電化区間に加え、プリマス-ペンザンス間の長い非電化区間をディーゼルエンジン付き発電機からの電力を使用して走行するため、IEP向けの車両よりも大型の燃料タンクを備えている。

納入する「AT-300」のイメージ図