東京都・原宿の太田記念美術館は、浮世絵版画における彫りや摺りのワザに注目した「錦絵誕生250年記念 線と色の超絶技巧」を開催する。会期は前期が8月1日~8月30日、後期が9月4日~9月27日(月曜・9月24日休館、ただし9月21日は開館)。開館時間は10:30~17:30。入館料は一般700円、大高生500円、中学生以下無料。

「錦絵誕生250年記念 線と色の超絶技巧」

同展は、錦絵誕生250年を記念し、北斎や広重など絵師たちの名前ばかりが注目を集める浮世絵版画において、彫りや摺りの超絶技巧にスポットをあてるもの。展示作品は前期・後期で入れ替えられ、小泉巳之吉や横川竹二郎など、浮世絵版画にサインを残すほどの実力があった名工たちも併せて紹介されるということだ。

浮世絵が世界で人気を集めた理由の一つに、この錦絵という技術の素晴らしさがあるという。錦絵は、絵師の描いた線を残し、その外側を彫っていくのだが、高度な「彫り」の技術によりわずか1cm四方のスペースにも関わらず密集した細かい線が作り出されている。また、華やかな画面は、「摺り」のワザにより生み出される鮮やかな色や淡いグラデーションを駆使して作り上げられている。ポスト印象派の画家・ゴッホは、その錦絵特有のまばゆい色彩に日本の光を感じ、憧れたということだ。

鈴木春信「風流諷八景 鉢木暮雪」(前期展示)

鈴木春信「水仙花」(後期展示)

月岡芳年「勇の寿 四代目市村家橘」(後期展示)

また、学芸員が同展の見どころを解説するスライドトークが開催される。開催日時は8月8日、8月14日、8月19日、9月5日、9月11日、9月15日、各日14:00~(40分程度)。参加無料だが、同展への入場券が必要となる。