日立ソリューションズは7月27日、資源・金属素材や産機・建機関連などの専門商社であるラサ商事の基幹システムのDRサイト(ディザスタリカバリ環境)をアマゾン ウェブ サービス(AWS)上に3カ月間で構築し、2015年4月に本稼働を開始したと発表した。

ラサ商事におけるDRサイトのシステム構成図

ラサ商事は従来、BC/DR(事業継続/災害復旧)対策として、夜間にバックアップ・データを外部記憶装置に保管すると共に、遠隔地のサーバへ転送していたという。しかし、記憶装置の老朽や枯渇による装置のリプレースに加え、廃棄や装置故障のような障害時の対応など、保管管理による運用コストが掛かることや、システム復旧に時間を要することが課題になっていたとのこと。そこで同社は、BC/DR対策の強化と災害への早期対処を目的として、DRサイトを導入することになったという。

日立ソリューションズは、オンプレミス環境にクラウド・ストレージと接続する「AWS Storage Gatewayサービス」を適用した非同期データ転送基盤を導入して、当時のバックアップ運用と同等の環境を実現した。

また基幹システムの災害対策として、オンプレミス環境が被災した際の事業継続を実現するために、クラウド内の仮想サーバである「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)上にDRサイトを構築したという。

AWS Storage Gatewayサービスの適用により、 クラウド内ストレージである「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)上のバックアップとの差分だけのデータ転送を可能とし、転送データ量が少なくなることで、専用回線を必要としないインターネット回線を介したバックアップ・データの別地保管を実現したとしている。

さらにAmazon EC2への基幹システムDRサイトの構築では、AWS上の適用範囲を越えた、オンプレミス環境で稼働している古いバージョンのソフトウェアを、VM Import/Export機能の利用によりAWS上へ移行できたという。