退去予告は大丈夫? 賃貸住宅の引越し前にまず確認すべきこととは

退去予告は大丈夫? 賃貸住宅の引越し前にまず確認すべきこととは

「今住んでいる賃貸住宅より素敵な物件が見つかった」「今住んでいる賃貸住宅から早く引越したい」場合、急な退去はできるのでしょうか。次に住みたい入居先の契約をする前に今住んでいる賃貸住宅の退去に関して確認すべきことについて、“不動産・住生活”のプロに聞いてみました


今より広い部屋が見つかった! 2週間後に入居できるって。今すぐ大家さんに電話すれば来週には引っ越せるよね?

気に入った住まいが見つかると早く引っ越ししたいですよね。でもちょっと待って。まず、今の不動産賃貸借契約書を見直してみましょう。退去時には、「いつまでに大家さん(管理会社)に伝えなければならないか」が示されています。あなたの契約書に『少なくとも30日前に解約の申し入れ』と記載されていれば、すぐに引っ越ししたくても、転居を伝えた日(退去予告日)から30日分の家賃は払わなくてはなりません。


国土交通省は、『賃貸住宅標準契約書』という契約書のサンプルを作成しています。そのなかで、退去に関しては次のように定められています。

第11条 乙は、甲に対して少なくとも30日前に解約の申入れを行うことにより、本契約を解約することができる。
2 前項の規定にかかわらず、乙は、解約申入れの日から30日分の賃料(本契約の解約後の賃料相当額を含む。)を甲に支払うことにより、解約申入れの日から起算して30日を経過する日までの間、随時に本契約を解約することができる。

注:解約の申入れ=退去予告

注意したいのは、これはあくまでサンプルということ。なかには、「退去予告は60日前」となっている契約もあります。


ここで、あまりにも退去予告日と退去日が離れていると、新規の入居先の家賃と、今の住まいの家賃を二重に払う期間が長くなってしまう可能性があります。ですから、この費用を最小限に抑える工夫をしたいもの。住み替えの際には、次のような点に注意しましょう。

(1)契約書の確認
引っ越しを考えたら、物件が決まっていなくても今の契約書の退去予告時期を確認しておきましょう。

(2)物件探しの際、不動産会社に伝える
「今の住まいでは、退去予告日は○日前となっています」と最初に伝えましょう。良心的な不動産会社であれば、気に入った住まいがすぐに見つかったときでも、大家さんとの間に立って入居日を交渉してくれることがあります。

(3)引っ越し先の契約書
転居先の契約書もチェック。「退去の申し入れは60日前まで」となっていたら、さらにその次の退去時に家賃のダブリが長期に生じるかもしれません。交渉可能なこともあるので、契約前に「退去予告は30日前になりませんか」と不動産会社に伝えてみましょう。


高田七穂(たかだ なお):不動産・住生活ライター。住まいの選び方や管理、リフォームなどを専門に執筆。モットーは「住む側や消費者の視点」。書籍に『最高のマンションを手に入れる方法』(共著)『誰も教えてくれないマンションの選び方』(いずれもエクスナレッジ)など。「夕刊フジ」にて『住まいの処方銭』連載中。