――『35点男の立ち回り術』の中で、亮さんとの関係についても書かれていました。まったくしゃべらなかったところから、淳さんの結婚式の時に亮さんが読み上げた手紙がきっかけでしゃべるようになったと。

あの手紙がきっかけで普通にしゃべるようになりましたね。だからといって、すげえ好きかというとそうでもないような気はしますけど(笑)、変わらず頑張ってしゃべろうよとは思いますけど、でも昔みたいに憎しみとかではない。「またしゃべんなかったね、亮さん」というようなことを楽屋で言えるようになって、昔と全然違います。

――亮さんの本音を知れたことが大きかったのでしょうか。

あいつはあいつで苦しんだんだなって思って。自分がロンドンブーツとしてしゃべれていないことを悪いと思っている…それすらわからなかったので、こいつ何したいんだろうなって。テレビに出ても、メイクしてもらって衣装着させてもらって、スタジオに来てもしゃべんないってどういう神経なんだろうって思ってたんですけど、それがつらかったというあいつの気持ちがわかっただけで楽になったというか、あぁそういう思いでいたのかって。

――亮さんに「こうして」とお願いすることがあったそうですが、今もお願いはするんですか?

何もしないです。しゃべってもいいし、しゃべんなくてもいいし、参加したい時だけ参加してねっていうスタンスの方が楽なんです。こうするべきだっていう役割を分担しちゃうと、役割をこなさなかった時にいらついちゃうんで、そもそも何もしない人だと思っていればものすごい楽なんです。

――なるほど。そんな淳さんと亮さん、ロンドンブーツ1号2号としての今後の目標は?

一番ギャップがあるのは、亮さんがしゃべって仕切るようになるっていうのがギャップだと思う。亮さんが司会している横で、僕が何も考えずに笑って、何も発言しないでニコニコしてそのまま一日が終わっていくっていうのを、60歳くらいからしてみたいですね。今までしゃべったから交代ねって。

――だいぶ先ですね。

あと20年はしゃべり続けないと、亮さんは交代してくれないと思うんで(笑)。

――ロンドンブーツ3号、4号、5号…という新たなメンバーも考えているとのことですが、それは本当ですか?

舞台とかに戻るんだったら、1号2号だけだと足りないものがあるので。亮さんは亮さんの良さがあるんですけど、舞台をやるなら5号くらいまでいないと想像できない。ボケがたくさんいた方が僕が仕切れるので。亮さんすごいボケかっていうとそんなボケでもないので、ちゃんとボケれる人が4人くらいいるといいなと。亮さんは一番色がないミドレンジャーみたいな人。僕はアカレンジャー気質なので、アカレンジャーとミドレンジャーのコンビなんです。バランス悪いですよね、クリスマスカラーですけど(笑)。やっぱり、キレンジャーやアオレンジャーみたいな人、ピンクみたいな人もほしい。

――いつごろ実現したいと考えているんですか?

50歳くらいまでにそうなればいいかなと。こればっかりは亮さんのやる気次第なんで。

――現在、TwitterやInstagramなどSNSを活用されており、『35点男の立ち回り術』でもその活用をすすめられていますが、炎上とかひどいツイートとか、嫌だなと思うことはないんですか?

それは全然ないです。いろんな意見があっていいと思っているので。ただ、ひどい言葉遣いとかモラルがない言葉遣いに関しては、直接ダイレクトメールでやりとりします。電話番号を教えて、直接話しましょうよって。最近も、政治的なことをつぶやいたら、お前ごときが政治のことでつぶやくなって言われたんで、これは話さないとと思ってダイレクトメール送ったんです。そしたら電話をかけてきてくれて、「あなたの言葉遣いは悪いと思います」って言ったら「確かに言葉遣いは悪かった」と。そして、「あなたみたいに政治が詳しい人ほど、にわかの人を引っ張っていく発信をしないといけないんじゃないですか?」って言ったら、「淳君の言う通りだって」って。話せばわかるんです。

――一般の人ともそういうやりとりをされているんですね。SNSでの立ち回りはどうやって学ばれたんですか?

こうやってやりとりする中で、こんな風にやるとこういう風に返ってくるんだって経験しながらですね。お互いに憎み合っていたらずっと同じ場所にいるけど、一対一で話して理解が深まって、お互いにひとつ前に進めたら気持ちいい。フォロワー全員とはできないですけど、ちょっとでも多くの人と分かり合えたらと思います。

――そんな淳さん流の立ち回り術が書かれている『35点男の立ち回り術』は、どういう人に読んでほしいですか?

悩みを抱えている人がすごい多いと思っていて、そんな悩んでないで行動しちゃえばいいのにって。何かしら行動することで、次の景色、次の考えが浮かんでくるので、後退するにしても前進するにしても、今の場所は違うんだからまず動こうよっていうのを伝えているので、背中を押されたい人やコミュニケーションが苦手な人に読んでもらいたいですね。あと、自信がない人は自分の点数が低いので、どうやって自分を魅力がある人間にするかという自分なりの加点法を、僕の本をきっかけに見つけてもらえたらと。僕の加点法はみんなには当てはまらないですけど、自分なりの加点法を見つけるヒントはこの本の中にあるので。

――芸能活動休止中もとても親身になって相談に乗っていらっしゃったという矢口真里さんが、騒動後初めてモーニング娘。OGとしてパフォーマンスされるなど、元気に頑張っていらっしゃいますが、今後の立ち回りをアドバイスするとしたら?

親身になってというか、知り合いだったら普通そうするんじゃないかなって。テレビにあれだけ抹殺され、メディアにあんだけ干されたら、知り合いだったら大丈夫かって声をかけるのが当たり前だと思うんです。お前は矢口を擁護してんのかとか、手を切れとか言われるんですけど、自分の友達がそうだったら手を貸すでしょって。だからすごい手厚くしている感じでもないです。矢口ちゃんだろうが地元の友達であろうが同じです。でも、今もまだ世間の目は厳しそうですよね。昔より負の声、反対の声がうねるように大きくなっていく感じがしていて、自分も足を踏み外したらそうなっちゃうんだろうなって。今から立ち回るって、一生懸命やるしかないじゃないですか、むしろ立ち回らなきゃいけなかったのは初手だったと思います。

――そういう場合、最初にどうすればいいのでしょうか?

逃げるというのがダメというか、最初の火消しがうまくいかなかったからこれだけ大きくなっているんじゃないかと。塩谷瞬君みたいに、泣いて謝るっていうのが初手としては大事なんだと。酒井法子さん以降、逃げる人はとにかく許さないという感じになっているじゃないですか。向き合え向き合えってなっている時代なので、どうせ謝るなら最初の方がいいんだと思います。とにかく、何かあったらボヤくらいの時に謝るのが大事なんでしょうね。

――最後に、"35点男"だった淳さんの現在の点数は?

今は加点していって75点くらいですかね(笑)。

撮影:蔦野裕 hair&make:北井佑果(yuppiness) styling:富田麻美
衣装協力:シャツ/J.FERRY ジレ、パンツ/003 J.FERRY