科学技術振興機構(JST)は7月8日、科学好きのすそ野を広げるとともに、トップ層の学力伸長を目的として、全国の高校生が学校対抗で科学の力を競う「第5回科学の甲子園全国大会」ならびに、科学好きのすそ野を広げるとともに、未知の分野に挑戦する探究心や創造性に優れた人材を育成することを目的として、全国の中学生が都道府県を代表して科学の思考力・技能を競う「第3回科学の甲子園ジュニア全国大会」を開催すると発表した。

科学の甲子園全国大会は2016年3月18日から21日にかけて、茨城県のつくば国際会議場ならびにつくばカピオにて開催されるもので、各都道府県より選出された代表校が、理科・数学・情報における複数分野の競技を行い、総合点を競いあう。すでに一部の県において一次選考が始まっており、順次、全国で選考会が開催されていく予定となっている。

第5回科学の甲子園全国大会の舞台となるつくば国際会議場ならびにつくばカピオ

一方の科学の甲子園ジュニア全国大会は、2015年12月4日から6日にかけて東京都のBumB東京スポーツ文化館で開催されるもので、各都道府県の選考会にて選出された47チームが理科・数学などの複数分野にわたる筆記や実技の競技に取り組み、勝敗を競うものとなっている。各都道府県大会は7月下旬より、順次開催されていく予定となっている。

なお、科学の甲子園全国大会優勝チームは、米国にて開催される全米の科学好きな高校生が集う「サイエンスオリンピアド」へアンバサダーチームとしての参加資格が与えられ、実際の競技に参加し、米国の高校生らと競うこととなる。また、科学の甲子園の支援パートナーである国際教育交換協議会(CIEE) 日本代表部 TOEFL事業部長である根本斉氏は、開催会見にて「世界的に見ても理数系の人材が求められている。例えばデータサイエンティストは今後、大きく不足することが考えられており、米国では理数系学士の人材育成が強化されている」と説明し、幅広い視野と理数系の知識を持つことが重要であることを強調。引き続き、科学の甲子園を通じて、世界と渡り合えるグローバル人材育成に向けた支援を行っていくとしていた。

左から、科学の甲子園推進委員会 委員長の伊藤卓氏、第4回大会の優勝チームである渋谷教育学園 幕張高等学校2年の白石航暉君、同3年の三上喬弘君、JST 理数学習推進部長である大槻肇氏。なお、連覇を目指す渋谷教育学園 幕張高等学校だが、白石君は、野球部にも所属しており、そちらが忙しいため、今年の参加は見送るという

CIEEの根本氏が提示した世界で求められている人材のイメージ