「結婚相手に求めるものは、性格の次に何?」

若い女性たちに、「結婚相手に求めるものは、性格の次に何?」と聞きました(2006年/3,000人/ナンバーワン戦略研究所調べ)。選択肢は、学歴、見た目、経済力、勤務先です。最も多かったのは「経済力」で65%。女性の三人に二人は相手の経済力を重視していることになります。

別のアンケート(2010年/344人/アット・タイプ調べ)では、結婚相手の男性の理想年収は500万円台が多いそうです。今の、20代~30代前半の平均年収は一般的には400万円弱ですから、収入の問題で結婚したくてもできない男性が多いということになります。

加えて女性は、「自分より年収が低い男性は、ちょっと……」と思っていて、事実、7割以上の女性が自分より年収が低い男性との結婚にためらいを感じているといいます。つまり、彼女より年収が低ければプロポーズしても断られてしまう可能性が高いのです。

「結婚相手に求めるものは、性格の次に何?」のアンケートで、経済力が65%なのは当然なのでしょう。ちなみに、結婚相手の理想の職業はダントツ「公務員」! 2位は「技術職」でした。

「経済力」にこだわる1位は三重県

「結婚相手に求めるものは、性格の次に何?」

「経済力」と回答したのが最も多かったのは、三重県(三重県は、津市とそれ以外で気質が異なります)の津市の女性。なんと100%だったのです。津の女性は、城下町の歴史をもつだけに、辛抱強いしっかり者で包容力もあります。結婚すると夫を支える良妻賢母になる人が多いです。グチなどこぼさないし、夫のしていることには口出しもしません。

2位は北海道内陸部の87.5%、北海道は札幌30キロ圏と港町、それに内陸部で気質が異なります。内陸部の女性は芯が強く辛抱強いし度量も広い。お金にはシビアでワリカン意識が強いです。結婚すると内助の功型の妻になります。控えめで辛抱強いですが、浮気には厳格。家計のヤリクリも上手で、入ってくる以上に貯めるタイプです。

3位は、三重県(津市を除く)の女性で86.7%。三重県でも、津以外の女性は、男子に比べ、気が強いし活発で行動力もあります。粘り強く、金銭感覚があり堅実に見えますが、おおらかで結構ミーハーで、ファッションにも関心が強いし、流行を追いかける傾向もあります。結婚すると夫を強力にバックアップする妻になります。相手によっては姉さん女房型にも。衝動買いなどしますが家計のマネジメントはしっかりするタイプです。

4位は、山形酒田以外の女性で83.3%。山形(酒田を除く)の女性は結婚は早いほうで、結婚しても子どもが生まれても、働くのが当たり前という人が多いです。粘り強いのでグチなどこぼさないし包容力もある。経済観念も発達しているから、貯金もしっかりする良妻賢母の妻になります。

同率4位は、鳥取因幡(鳥取市など県東部)の女性。鳥取でも、因幡の女性は真面目で、辛抱強い努力家タイプが多く生活は堅実。結婚すると、包容力があって共稼ぎをするしっかり者の妻になる人が多い。子供の教育にも熱心だし、家計のヤリクリも上手です。

大都市をみると、位に愛知県尾張(82.8%名古屋など県西部)が入っています。「名古屋の貯め倒れ」という言葉通りのランキングといってよいでしょう。東京は城東(下町)が72.2%で22位、城西(山手)は61.9%で49位、多摩は60.0%で55位。同じ東京でも違います。下町の女性の方が経済力を重視しており、多摩の女性はあまりこだわらないのは、下町は父親が自営業の人が多く、多摩は父親がサラリーマンが多いことも影響しているのでしょう。

関西の大阪は意外に低く65.3%で49位でしたが、京都は78.4%で9位。昔から京都の人はお金にシビアと言われているだけに納得の結果になっています。北海道札幌圏は52.8%で69位、神奈川県横浜は50位、千葉北部は45位、埼玉は39位、広島は61位、福岡筑前は23位でした。逆に最下位は富山県の呉西(県西部)の女性の33.3%。呉西の女性は、経済力より「見た目」を重視しているのです。

「見た目」にこだわる1位は、富山呉西、石川、兵庫北部

二番目に多かったのは「見た目」の26%。見た目とは、顔なのか、スタイルなのかはわかりませんが、性格が同じだったら、見た目を選ぶのは当然ですよね。富山呉西・石川・兵庫北部が50.0%。三県とも日本海側の地域です。2人に1人は見た目重視ということになりますが、日本海側に美人が多いのもわかりますね。

「勤務先」にこだわる1位は福島会津

「勤務先」は6%。こだわるのは福島会津36.4%。実に3人に1人の割合で、2位の島根石見の20.0%を大きく引き離しています。会津も石見も民間企業が少ないうえ、人口の減少が続く地域だけに、勤務先の安定性が気になるのかもしれません。「学歴」はわずかに3%。学歴にこだわるのは富山呉東の女性(23.5%)。ほぼ4人に1人で、2位の愛媛中予14.3%を大きくリードしています。実は富山出身者は東大卒の人が多いんです(人口当たりで全国3位)。このあたりが影響しているのかもしれません。

ランキングまとめ

学歴 1位富山呉東23.5%、2位愛媛中予14.3%、3位北海道札幌圏33.3%
見た目 1位富山呉西、石川、兵庫北部50.0%
勤務先 1位福島会津36.4%、2位島根石見20.0%、3位徳島・沖縄12.5%

<著者プロフィール>
矢野新一
(株)ナンバーワン戦略研究所所長。エリアマーケティングの第一人者で、かつ県民性研究の第一人者。「県民性博士」とも呼ばれている。県民性に関する著作は20冊にのぼる。最新刊は『石川県人と富山県人のえっホント?』(北国新聞社)。テレビ出演、雑誌の監修も多数。無料アプリ「ズバット県民性」やサイト「県民性ワールド」も人気。東京生まれ。横浜市西区育ち。