凸版印刷は、同社のオリジナル新書体「凸版文久体」(全5書体)のうち、本文用ゴシック体「凸版文久ゴシック R」と見出し用明朝体「凸版文久見出し明朝 EB」の2書体について、モリサワへライセンス提供を行うことを発表した。同書体の提供開始時期は2015年秋。

モリサワより新たに販売される「凸版文久ゴシック R」(左)と「凸版文久見出し明朝 EB」(右)

「凸版文久体」は、ICTの進展にともなうメディアの多様化やライフスタイルの変化に適応した読みやすい文字を目指し、「築地体」を源流とする凸版印刷のオリジナル書体をベースに開発された新しいOpenTypeフォント。2016年春までに「凸版文久明朝 R」、「凸版文久ゴシック R」、「凸版文久ゴシック DB」、「凸版文久見出し明朝 EB」、「凸版文久見出しゴシック EB」の全5書体の販売が予定されている。昨年9月に第一弾として「凸版文久明朝 R」の販売を開始したが、今年の秋に第二弾として本文用ゴシック体「凸版文久ゴシック R」と、見出し用明朝体「凸版文久見出し明朝 EB」の2書体についてもモリサワから販売されることとなった。

「凸版文久ゴシック R」と従来のゴシック体との比較

また、「凸版文久ゴシック R」は、文字が持つ本来の形に立ち返った抑揚のあるデザインが特徴のゴシック体で、文章を読むリズムを演出するように設計されている。書籍はもとより、横書きで日本語を読む機会が多い電子媒体などでもテンポよく長文を読み進めることができるという。一方の「凸版文久見出し明朝 EB」は、一文字ずつ丁寧に書き起こし、読み手の目線を引きつけるデザインが特徴の明朝体。装幀やエディトリアルデザインのタイトルに最適で、明快なコントラストと筆文字のような緩急で、文字の美しさとインパクトを造形している。

「凸版文久明朝 R」(左)と「凸版文久見出し明朝 EB」(右)の比較

なお、これらのフォントは、モリサワが提供するサブスクリプション制フォントライセンス「MORISAWA PASSPORT」や「MORISAWA PASSPORT ONE」、「MORISAWA PASSPORT アカデミック版」で提供されるほか、クラウドフォントサービス「TypeSquare」や「MORISAWA Font Select Pack 1 / 3 / 5」においても提供される。両書体の仕様は、フォントフォーマットがOpenTypeで、文字セットは「凸版文久ゴシック R」がAdobe-Japan1-6/JIS2004基準(23,058文字)、IVS対応、「凸版文久見出し明朝 EB」はAdobe-Japan1-3/JIS2004基準(9,498文字)、IVS対応。