Appleがサンフランシスコで開催した開発者会議「WWDC15」で、例年通り各種OSの年次アップデートが施された。iOS 9、OS X El Capitanに加えて、発売から2カ月に満たないApple Watch向けのwatchOS 2が開発者に向けて発表された。いずれも秋に正式版がリリースされる予定だが、開発者向けには基調講演後から、一般ユーザー向けには7月からベータ版の利用ができる。

今回、イベントを取材する中で、最も大きな変化の可能性を秘めているのは、iOS 9を搭載するiPadの進化ぶりであるという感想を持った。ご存じの通り、iPadは年々販売台数を減らしており、PC並の長い買い換えサイクルとiPhoneの大型化といった問題が挙げられている。

「WWDC15」で発表されたiOS 9

実際のところ、iPhone 6 Plusを使って見ると、もちろんiPad miniですらiPadの画面サイズの大きさは決定的だが、以前の小さなiPhoneを使っていた頃よりも必要性を感じなくなる、という体験を筆者自身もしてきた。iOS 9は、こうした観念を覆す可能性があり、iPadが再びiPhoneとの差異を獲得するきっかけとなるのではないだろうか。