「仕事が合わない」場合はどうする?

――「業務が合わない」と感じている場合はどうしたら良いでしょう?

例えば飛び込み営業やテレアポなどの初歩的な仕事に不満を持っている場合、その仕事は一生続くものではないということを考えさせましょう。入社したばかりの新人が行っているのは、仕事のほんの一歩に過ぎません。

仕事に慣れた6月初めの時期は、初歩的な仕事の繰り返しがほとんどです。ゆえに、「これをやって何になるのだろう?」という疑問が浮かび、仕事の意義を見失いがちになってしまいます。それは、仕事を「何の目的で行っているのか」ではなく、「できているか、できていないか」という点でしか見れなくなっているからです。

そのためには、新人がやっている仕事の「本質的な意味」を考えさせることが重要です。自身の会社での役割、会社が果たす社会での役割や意義を捉え直すことで、仕事の意味を再発見できるようになります。

――視野を広くさせるということですね

また、「原点に立ち返らせる」ことも有効です。新人は様々な理由や目的を持って就職活動をして、その会社に入社しています。「なぜその仕事をやりたかったのか」「どうしてこの仕事を選んだのか」を一緒に振り返ることで、目の前を見るのではなく自分のキャリア全体を考えさせましょう。

――他に注意すべきことはありますか?

「仕事に必要な能力」と「新人の能力」のバランスがとれているかを確認します。求められる内容が高度過ぎると、目標達成が困難になり、必要以上に大きな挫折をしてしまいます。

注意すべきは、新人の能力を図る際に「今の上司自身の能力」や「自分が新人だった頃の能力」と比較してはいけないということ。仕事ができる管理職の方は、「あの頃の自分はできたのに、なんでこいつはできないのか」と考え、不出来な新人にイライラしてしまうこともあるでしょう。ですが、上司のいらだちは新人にはっきりと伝わります。それがストレスやプレッシャーとなり、悪循環となってしまいます。

ですから、本人の能力はどれくらいか、過去と比べてどのくらい伸びているかを考えましょう。6月病にかかりやすいタイプは承認欲求が強い傾向があるので、できたところはきちんと認めてあげることも必要です。

――ありがとうございました